佐々木マキさんの「ねむいねむいねずみシリーズ」。
いつも旅をしているねずみは、ねむくてねむてく仕方がありません。
ちょっと休もうと、誰も住んでいないような、ぼろぼろな家を見つけ、
床に落ちていた靴下の中に潜り込んで眠り始めました。
するとそこに、二人のどろぼうが入って来て、
ねずみが寝ている靴下を踏みつけました。
ねずみは飛び起き、何やらふたりの男が、盗んできた金貨と宝石の分け前をめぐって、
口論している様子。
ねずみは、まず自分を踏んづけたふっとちょのどろぼうの左右の靴紐を結びました。
するとふっとっちょが歩こうとしたとたら、足が前に出ず、そのまま倒れてしまいました。
そのはずみで、金貨や宝石が床に飛び散り、1枚金貨どうしても見つからず、
二人は喧嘩を始めます。
ねずみは、棚にあったポットをバケツめがけて落としました。
すると、2人しかいないはずの家なのに、恐ろしくなって二人は飛び上がると、
ランプの火も消え部屋中は真っ暗に。
ねずみはそのすきにそっと外へ出て、外からドアをノックします。
どろぼうは、警察が来たと思い、窓から逃げていきました。
大切な盗んだ宝も全て置いて。
ねずみは、ようやくぐっすりと眠りにつき、朝から旅に出かけました。
ねずみさん対どろぼうの戦いとなりますが、
ねずみさんはどろぼうたちが盗んだ金貨や宝石はまったく興味がなく、
ただ静かに眠りたいがために、体をはって戦います。
睡魔と戦うのではなく、安眠獲得のために戦うねずみくん。
そこがこの作品の面白いところ。
眠るという行動への執着がすごい。
そしていつも眠りを邪魔する物、人、動物が現れ、ねずみくんが奮闘する作品です。
《著者紹介》
作:佐々木マキ
1946年神戸市に生まれる。京都市立美術大学中退。マンガ家、イラストレーター、絵本作家。作品に『やっぱりおおかみ』『おばけがぞろぞろ』(以上、福音館書店)、『変なお茶会』『ぶたのたね』(以上、絵本館)、『おばけとどろぼう』『おばけのばむけ』(以上、教育画劇)、『おれはレオ』(理論社)、「ねむいねむいねずみ」シリーズ(PHP研究所)などがある。
※絵本より引用