東北地方に昔から伝わる火の守り神、魔除けとしてその家を守るカマド神をモチーフに、
東日本大震災で被災された方々の鎮魂と慰霊を込めて作られた作品です。
カマド神をかまどんちゃんという、かわいらしいキャラクターで登場させ、
子どもたちがおままごとをしていると、いつの間にか隅っこでかまどんちゃんが、
一緒におままごとで遊んでいて、みんなかまどんちゃんと一緒に遊ぶのに、
かまどんちゃんがどこに住んでいるのか不思議と誰も知らない。
かまどんちゃんが作るおままごとの料理は、どれも本物の料理のようで、
口に含んでみると、とっても美味しいからびっくり。
ある日、いつものようにだるまちゃんと女の子と、かまどんちゃんがおままごとで
遊んでいると、おままごとのはずなのに、焦げ臭いにおいが漂ってきました。
どうやらどこかの家の鍋が燃えて、火事になっているようです。
子ども達が火事に気が付き騒いでいると、大人たちも気が付き大騒ぎに。
だるまちゃんと、かまどんちゃんが火を消そうと、火事が起きている家に、
飛び込むと、かまどんちゃんが焦げた鍋を外に放り投げ、だるまちゃんが水をかけて
無事火を消すことができました。
でも気が付くと、かまどんちゃんがどこにも見当たりません。
どこに行ってしまったのでしょう?
昭和の風景が広がり、懐かしさを覚えます。
そして東北の昔から言い伝えがお話なっていることを、子どもは知ると、
かまどんちゃんは神様だったんだね。守ってくれたんだね。と
物語りの背景を理解したようでした(*^-^*)
《著者紹介》
1926年、福井県に生まれる。東京大学工学部卒業後、民間企業の研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事する。「だるまちゃん」シリーズ、
『マトリョーシカちゃん』『とこちゃんはどこ』『かわ』『絵巻じたてひろがるえほん かわ』『海』『地球』(以上、福音館書店)など600冊にのぼる児童書のほか、『伝承遊び考』(全4巻、小峰書店)など著者多数。福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館 砳(らく)」「武生中央公園(だるまちゃん広場)」がある。工学博士。技術士(化学)。神奈川県在住。
※絵本より引用