女の子が犬と一緒に、森を歩いていると、見知らむカラフルなおうちがありました。
中をそっと覗いてみると、奥から小さなかすかな声が聴こえてきます。
声がした奥の部屋に進んでみると、テーブルの上にいろんな大きさの缶詰がいくつもあり、
その缶詰の中から「たすけてくれぇ」「だしてくれぇ」と小さな声が聴こえてきます。
女の子は声が聞こえてくるのは、どうやら缶詰の中からだと気が付くと、
缶切りで缶詰を開け始めました。
すると大きなゾウが出てきて、森へ逃げて行き、
次の缶詰を開けるとクマが出てきて、
同じ大きさの缶詰3つを開けてみると、ブタが三匹、みんな森へ逃げていきます。
細長い缶詰を開けると、アスパラガスが。
さぁ、早くここから出なくちゃと女の子が犬と話していると、
そこに魔女が帰ってきました。
魔女は缶詰の中に閉じ込めていた動物を逃がしてしまった女の子に怒って、
女の子と犬は缶詰にされてしまいました。
女の子と犬はどうなるのでしょうか?
魔女の家に入ったときに、だれのおうちか女の子はわかりませんでしたが、
デパートのバーゲンセールを知らせるハガキが届いていたり、
缶詰をあけていくと、普通のアスパラガスの缶詰があって、
何も魔法やしかけがなく、それが意外性があって期待を裏切られ意表をつかれたり、
魔女が帰った時にたくさんの袋を抱えていたのは、
もしかしてデパートで買い物に行っていたのかな?
と怖い魔女なのに、妙に親近感が湧いて、愛らしいキャラクターに描かれていて、
悪役なのに全く憎めません(*^-^*)
佐々木マキさんのがポップなイラストで、不思議な世界観が広がります。
《著者紹介》
作:佐々木マキ(ささきまき)
1946年、神戸市に生まれる。京都市立美術大学中退。マンガ家、イラストレーター、
絵本作家。著書に、『ピクルス街異聞』(青林堂)、『ぼくのスクラップ・スクリーン』(筑摩書房)、絵本に、『やっぱりおおかみ』『くった のんだ わらった』
『ぼくとねずみのいそげ、じどうしゃ!』『ちいさなクリスマスのほん(全三冊)』
『たわごと師たち』(以上福音館書店)、『ピンクのぞうをしらないか』(絵本館)、
「ねむいねむいねずみ」シリーズ(PHP研究所)、童話に『なぞなぞライオン』(理論社)など多数ある。京都在住。
※絵本より引用