春休みになって、家族で旅行を考えている方も多いでしょう。
春休みは小学生は宿題はないし、大人はなかなか連休が取れない人も多いと思いますが、
旅行するには一番いい季節ですよね(*^^)v
絵本『わくわく!れっしゃでかぞくりょこう』は家族4人で列車を乗り継いで、
温泉旅行に出かけるお話。
ホームに入って来る電車を待つのに、ジッとしていられない子どもたち。
子どもたちは電車の座席に乗り込むと、車窓に向かって座り、早いスピードで流れていく、
景色を夢中で追っている。
乗り換え時間は、短いからみんなちゃんとついてくるんだよとお父さん。
次は特急列車に乗り込む。座席をくるりと回して、4人掛けにして、
お昼は車内販売の駅弁を買う。
お父さんとお母さんはビールで乾杯して、子供たちはメロンソーダーで乾杯。
楽しい旅になりますようにと。
景色はどんどん流れて変わっていく。
トンネルを過ぎたらそろそろ到着。さぁ、みんなで降りる準備。忘れ物しないように。
駅についたら、今度はタクシーに乗って、お宿に到着!
お部屋に案内されて、おかみさんに『それでは、ごゆっくり』と。
『あぁ、くたびれた。おかみさんもいなくなったようだな。』とお父さん。
『それじゃ、みんな はっぱをあたまにのっけて』とおかあさん。
そしてみんなで、どろん、どろん、どろろろろん!
なんと、たぬきに。
『にんげんはいいなぁ、れっしゃりょこう たのしめて!』とぼく。
『またこようよ。れしゃりょこう。ばけなきゃ のれないのはつかれちゃうけど。』とお父さん。
普通の家族旅行の旅の道のりを紹介してくれいている絵本と思いきや、
表紙からは想像できなかったオチがあって面白い絵本。
たぬきに変身するまでに、たぬきを匂わす箇所が少しあったことに、
もう一度読み返して気が付きました。
お父さんの着ている白いTシャツの胸元にたぬきの足跡のマークがワンポイントでついていたり、
子どものリュックのデザインが里山を思わせるものだったり、
たぬきさんが人間のように、人間の旅行の楽しみ方を、体験しているユニークな絵本です。
《著者紹介》
作:サトシン
1962年、新潟県生まれ。広告プランナー、専業主夫、フリーのコピーライターを経て絵本作家になる。『うんこ!』(絵・西村敏雄、文溪堂)で第1回リブロ絵本大賞、
第20回けんぶち絵本の里びばからす賞、第3回MOE絵本屋さん大賞など、多数受賞。
そのほかの作品に『でんせつのきょだいあんまんをはこべ』(絵・よしながこうたく、講談社)、『わたしはあかねこ』(絵・西村敏雄、文溪堂)、『ふしぎなあおいふく』
(絵・ドーリー、ポプラ社)などがある。作家活動のほか、新しい親子のコミュニケーション遊び『おてて絵本』の普及にも力を入れている。大垣女子短期大学客員教授。
絵:羽尻利門
1980年、兵庫県生まれ。京都育ち。立命館大学国際関係学部卒。児童書や絵本、教科書の挿絵の分野を中心に幅広く活動中。児童書作品に『坂の上の図書館』(作・池田ゆみる、さ・え・ら書房)、『天国にとどけ!ホームラン』(作・漆原智良、小学館)、
絵本作品に『ごめんなさい』(作・サトシン、ポプラ社)、『花まつりにいきたい』(作・あまんきみこ、本願寺出版社)などがある。
※絵本より引用
【文:サトシン 絵:羽尻利門 出版社:交通新聞社】
わくわく! れっしゃで かぞくりょこう[でんしゃのものがたり絵本] (こどものほん)