うさぎさんが、ちいさな椅子を作りました。
椅子のうしろに、自分にそっくりな短いしっぽを飾り付けたオリジナルです。
森のみんなに使ってもらえたらいいなと思い、
木の下にどうぞのいすという看板と一緒に椅子を置きました。
はじめにやってきたのはろばさん。
ろばさんはなんて親切なのだろうと、椅子にどんぐりがたくさん入ったバスケットを
置き、あまりに疲れていたので、木の下でお昼寝を始めました。
そこへクマさんがやってきて、椅子に置かれたどんぐりを見つけ、
遠慮なくとどんぐりをいただくことに。
でも次の人に何もないとお気の毒と、持っていたハチミツを椅子に置いていきました。
少ししてから、きつねさんがやってきて、椅子の上のハチミツを遠慮なくいただき、
次の人のために、もっていたパンをバスケットのなかにそっと置きました。
しばらくして、大勢のリスさんがやってきて、パンをみんなで分け合いながら、
美味しくいただき、森で収穫した栗を次の人のためにバスケットへ入れました。
ロバさんは長いお昼寝からようやく目覚め、バスケットをのぞきに行くと、
なんと、どんぐりから栗になっていて、
”あれれ?どんぐりって、くりのあかちゃんだったかしら?”
最後はユーモアたっぷりのオチと、幸せな気持ちになります。
森の動物たちの親切な心、相手を想うやさしい気持ちに、
読んでいてほっこりと心が温かくなりました。
子どもの読み聞かせにも、相手の気持ちを考える、一つのものを分け合ったり、
共有したりする喜び、どうぞ(ゆずったり)を学べる絵本です(*^-^*)
プレゼントにも最適な絵本だと思います★
《著者紹介》
作:香山美子(こうやまよしこ)
1928年生まれ。東京都出身。主な作品に、絵本『こんたくんのえーとえーと』(金の星社)、『はじめは『や!』』(鈴木出版)、『ごろりんごろんころろろろ』『ヒッコリーのきのみ』『もりのおくのちいさなひ』(以上、ひさかたチャイルド)、詩集『ちいさいおおきい』(チャイルド本社)、童謡『おはなしゆびさん』『げんこつやまのたぬきさん』などがある。
絵:柿本幸造(かきもとこうぞう)
1915年生まれ。広島県出身。主な作品に『じゃむじゃむどんくまさん』をはじめとする
『どんくまさん』シリーズ(至光社)、『しゅっぱつしんこう』(小峰出版)、
『ごろりんごろんころろろろ』『ヒッコリーのきのみ』『もりのおくのちいさなひ』『フルフル』『くまのこくまきち』『どんぐりとんぽろりん』『さいしゅうれっしゃのあとで』『こりすのはつなめ』(以上、ひさかたチャイルド)などがある。第8回小学館絵画賞受賞。1998年亡くなる。
※絵本より引用
【作:香山美子 絵:柿本幸造 出版社:ひさかたチャイルド】