『きょうはおかねがないひ』このタイトルのインパクトはとても大きなものだった。
絵本の内容は貧しい生活を送る親子の物語で、朝おなかがすいて起きた娘、
戸棚をあけると、シリアルはもうからっぽで、最後の一枚のパンを娘にあげる母。
娘は良かった、ママが おながすいていなくて。と答える一文。
母はおなかすいてないから、食べるように促したことが伺える。
お金がなくても、できる楽しいことを子どもは見つけ、
あるものを工夫して、おもちゃにしたり、歌を歌ったり、
図書館で本を読んだり、ハトと追いかけっこして遊んだり、
チャリティーショップへ行ったり、フードバンクに出かけるのが楽しみな子ども。
この絵本のあとがきには、日本の支援活動の現場で実際に起きていることと同じことが
描かれているとのこと。
幼児の子どもには早いかな?と思いながらも手に取りました。
今の時代誰もが、いつどうなるかわからないという現実と、
そして困難が立ちはだかったときにも、人生のいいときも、わるい時も、
小さな幸せを見つける強さと、
そして最近ではポイント決済や、カード決済などが増えていて、
なかなか子どもにお金の大切さ、価値、概念を教える、
見せる機会が減ってきていることに関して、
少しでもお金の大切さを知ってもらいたいという思いから、
読み聞かせしました。
現実を悲観的に描いているのではなく、おかねがない日も、楽しめることを見つけ、
人生を幸せに豊かに生きようとしている親子に力をもらうと同時に、
社会問題を勉強する入口になる絵本だと思います。
決して遠い場所で起きている出来事ではなく、
身近な問題として、世界を見て欲しいと感じました。
実際にこの絵本の読み聞かせをしてから、
お風呂のお水を大事に使ってくれるようになったり、
食事の時に残した際も、『残してごめんなさい。』とごはんに謝るようになりました。
まだ幼児ですが、子どもながらちゃんと本の内容、社会問題を受け止めて、
考えて、行動に移してくれたようです(*^-^*)
《著者紹介》
作:ケイト・ミルナー
ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズでイラストレーションを学んだのち、アングリア・ラスキン大学大学院で絵本・児童書のイラストレーションを専攻、
修士号をとる。作品は複数の雑誌に掲載され、イラストと版画はロンドンのギャラリーや国内巡回展で見ることができる。絵本デビュー作『なんみんってよばないで。』(合同出版、邦訳)で2016年ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館イラストレーション賞を、2018年クラウス・フリュッゲ賞を受賞。近作に『Duncan Versus the Googleys(未邦訳)』がある。
※絵本より引用
【作:ケイト・ミルナー 出版社:合同出版】