『はやく寝ないとおばけがくるぞ~』や、
『夜に公園へ行ったら、誰もいないのに、ブランコが揺れているんだよ』など。
おばけは昼間には出ないけど、夜、みんなが寝静まった頃に起きているイメージのtp
おばけ。
じゃあ昼間は何しているんだろう?どこにいるんだろう?
の子どもの問いに答えてくれる、楽しい絵本です♪
『はやく寝ないと、おばけがでるわよ~』と子どもの寝かしつけをしていると、
子どもたちが、『ママ、おばけは今なにしているの?おばけは夜に起きるの?』
と話がつきません。
おばけかぞくの朝は、人間の世界でいう夜です。
夜に目覚めて、朝ごはんを食べて、
真夜中の時間に保育園へ行きます。
真っ暗な保育園の園庭で滑り台をしたり、砂場で遊んだりしています。
『おとうさんおばけはなにしているの?』
『おしごとよ。』
『おばけはどんな仕事なんだろう?』
『人をおどかすこと』
お母さんは、家で洗濯物を干したり、そうじしたりしています。
朝になりました。
子どもたちは朝ごはんを食べながら、
『おばけはもう保育園帰ってきたかな?これから夜ごはんかな?』
子どもたちは朝になっても、おばけの暮らしを想像して話しています。
『おばけは何を食べているんだろう?』
おばけの食卓が絵本に描かれていて、クモの巣スープや、毒キノコサラダが
並んでいます。おばけのお父さんもビールで晩酌中。
子どもたちは保育園で一日過ごしていると、夕方頃に、
保育園におばけのこどもがふらりやってきました。
おばけの子どもは夜になる前に目覚めてしまって、昼の外を見て見たくて、
出掛けたのでした。
おばけは、もし昼間に人間とあったら、足がはえて人間になるぞと
お父さんに言われています。
人間の子どもに見つかってしまい、おばけはびっくりして、
いそいで家に帰り、ふとんに入りました。
すると足がはえていました。
寝たら治ると考え、おばけの子は、眠りにつきました。
夜になると、オバケの子はおねしょをしていました。
すると、さっきまではえていた足がなくなって、おばけに戻っていました。
というおばけが怖いものではなく、愛らしくなる一冊です。
絵本の構成は、左ページに人間の日常が描かれていて、
右ページにおばけの日常が描かれていて、同時に2つの世界が進行していきます。
読み聞かせの際のたろうの疑問に答える形で、おばけの生活がすぐ隣で、近くで
起こっているように感じます。
おばけって誰もが聞いたことがあるけど、まだその姿カタチは見たことがないし、
『おばけ』という言葉だけが独り歩きしていて、実はなにも知らないからこそ、
興味がわく。見てみたいと思う好奇心に寄り添ってくれる一冊です(*^^)v
《著者紹介》
西平あかね(にしひら あかね)
1968年東京に生まれる。
毎日楽しそうに、しゃべりながら絵を描いている娘に触発されて、お話と絵を創り始める。おばけのさくぴーとたろぽうのおはなしシリーズは、この作品につづき、
『おばけのおつかい』(「こどものとも年中向き」2005年7月号)、『おばけのたんけん』(「こどものとも年中向き」2006年4月号)がある。長崎県在住。
※絵本より引用
【作:西平あかね 出版社:福音館書店】
おばけかぞくのいちにち さくぴーとたろぽうのおはなし (こどものとも傑作集)