旅行前になると、一週間前から何を持っていこうかと幼い頃、
ドキドキと、ワクワクで、何度も出しては入れてを繰り返した。
最初のうちはおもちゃ全部持っていきたくて、小さなリュックから溢れて、
選ぶのが大変だった。
決まって祖父母の家に遊びにいくときの、
新幹線の中で食べるおやつはキャラメルだった。
普段は買ってもらえない甘いお菓子に、特別感で心が弾んだ。
キャラメルを見つけると、懐かしい気持ちが込み上げてくる。
日曜の朝、あやこは起きると、真っ先に窓にかけより、
晴れているのを確認し、今日はピックニックに行けると大喜び。
お母さんは台所で、おべんとうの準備中。
テーブルにはお弁当につめる、おいしそうな料理がたくさんスタンバイしています。
あやこは、朝ごはんを食べると、あやこはいいことを思いつきました。
ママ見て!おべんとう詰めてあげたよ。お手伝いしのと得意げです。
おにぎりも、卵焼きも、唐揚げもてんこ盛りに、ぐちゃぐちゃに入っています。
お母さんはびっくり。
お父さんは洗面所でひげをそっています。
お父さんのバッグがまだ空いていて、あやこはチャックをしめてあげようと
思いましたが、バッグに入っていたカメラのヒモが邪魔になって、閉められません。
あやこはヒモをひっぱってみると、「かばんがパンクしっちゃた。」
バッグの中のものがぐちゃぐちゃに飛び出してしまいました。
パパはあやこは着替えて準備しなさいと声をかけると、
ママがあやこのお気に入りの服に着替えさせてくれました。
パパとママが準備できるまで、一人で待っていることに。
あやこは、いつもママが出かける時にしていることを、
鏡の前で、お化粧しだしました。
またまたママはびっくりです。
顔を綺麗に拭いてもらい、さぁ出発です!という微笑ました絵本。
大人の背中を良く見ています。
おべんとうをつめてみたり、かばんの荷物を引っ張り出したり、
お化粧をしてみたり。
お願いだからじっとしててね!と母は思います。
子どもは精いっぱいお手伝いして、準備をしているつもり。
おでかけまえから、もうおでかけは始めっていて、
こうした準備からもう、旅の思い出の一つになっている。
おでかけまえのハプニングの数々を楽しめる余裕を持ちたいです。
一緒に楽しめたら最高の思い出になるはず☆彡
《著者紹介》
作:筒井頼子
1945年、東京に生まれる。埼玉県立浦和西高校卒業。絵本には『はじめてのおつかい』
『あさえとちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』『とん ことり』
『ながれぼしをひろいに』『おいていかないで』(以上福音館書店)などがある。
絵:林明子
1945年、東京に生まれる。横浜国立大学教育学部美術科卒業。絵本には『はじめてのおつかい』『あさえとちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』『とん ことり』
『おふろだいすき』『きょうはなんのひ?』『こんとあき』『おいていかないで』
『はっぱのおうち』『でてこい でてこい』『くつくつあるけのほん』(全4冊)
『クリスマスの三つのおくりもの』(全3冊)(以上福音館書店)などがある。
※絵本より引用