お客さんは乗れない、貨物列車。
窓もなくて、四角い色とりどりの箱がながく連なる。
何が入っているんだろう?
何をする列車なのだろう?と子どもの頃よく想像を巡らせた。
成長とともに、貨物列車とわかると、
あぁ、踏切がしばらく開かないなぁ~とぼやいてみたり。
普段私たちも、貨物列車を見かけても、乗れるわけではないので、
その中は見たことがないし、
どうなっているのか本当はよく知らない貨物列車のことがわかる絵本です。
先頭をひっぱるのは、電気機関車の「きんたろう」。
途中の駅で交代して、
次にひっぱるのは、電気機関車の「ももたろう」。
荷物がどのように運ばれ、どれだけの人、乗り物を経由しているかが、
丁寧に描かれています。
絵本の最後のページには、もっと知りたい貨物列車のことが書かれています。
例えば、走行距離が一番長い貨物列車は、福岡~札幌までを。
走行距離は約2140㎞43時間。
そして走行しているときには、貨物列車に何人の人が乗っているのか?
基本的には運転士が一人だけのよう。2~3時間ごとに運転士の交代があるので、
たくさんの運転士さんがリレーするように、荷物を安全に遠くまで運んでいます。
私たちが使っている日用品、スーパーで買う食材も、全部貨物列車が
毎日運んでくれているから、私たちは欲しいときに、欲しいものが手にはいるんですね。
貨物列車は1日にどのくらい走っているのか?
北海道から九州まで全国で1日に約500本の列車が走っているようです。
そして貨物列車は新幹線よりも長く全長は540mもあります。
《著者紹介》
作:溝口イタル
1962年大阪生まれ。関西大学工学部卒業。
セツ・モードセミナー中退。1995年ごろより雑誌『旅の手帖』『散歩の達人』に
イラスト・ルポを発表。絵本デビュー作は『しあわせのドクターイエロー』。
※絵本より引用
【絵:溝口イタル 出版社:交通新聞社】