★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ブルドーザーのブルブル

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ブルドーザーのブルブルは、ちからもち。

 

やまの 工事現場で、いのししの作業員のおじさんと働いています。

 

じゃりのやまを おしのけてたり、きの根っこをどかしたり大忙し。

 

でも、ブルブルは 力強いブルドーザーですが、とても怖がりです。

 

崖に近づき、乗り出して 働くなんて無理です。

 

仲間のショベルカーやダンプトラックにも、からかわれて、

 

しょんぼり。

 

ある晩のこと、ひとりぼっちでブルブルは工事現場に残されました。

 

するとふくろうの鳴く声が聞こえ、ブルブルはこわい。

 

しかも雨まで降ってきました。

 

雨はどしゃぶりになり、雷まであたりに轟ました。

 

ブルブルはますます怖くなって、心細くなりました。

 

すると、あけがたちかく、ズ ズズーン!と不気味な音が。

 

あたりが明るくなったとき、山の動物たちが、ブルブルの前を駆け抜けていきました。

 

どうやら、この雨で地盤がゆるみ、ウサギさんの家の前に大きな岩が降ってきて、

 

ウサギさん家族が外に出られず、閉じ込められてしまっているよう。

 

イノシシのおじさんがやってきて、ブルブルの力で、

 

うさぎさん親子を救ってくれと頼まれました。

 

怖がりなブルブルは、不安で勇気がでません。

 

でもうさぎさんの家には7匹の赤ちゃんがいる。

 

もう怖いなんて言ってられないと自分を奮い立たせます。

 

ブルブルはうさぎさんの家を塞いでいる、倒れた大きな木や、大きな岩を、

 

顔を真っ赤にしながら、力いっぱい、押します。

 

すると、うさぎさんの家を塞いでいた大きな岩が動き、

 

無事うさぎさんたち家族が外へ出て来ました。

 

みんなの拍手が、やまじゅうに 響き渡りました。

 

ダンプトラックやショベルカーも仕事をするため、やってきました。

 

さぁ今日の仕事はがけのすぐそばです。

 

ブルブルはがけと聞いて、弱気になりました。

 

その時、崖のそばの、草むらにあの助けたうさぎさん家族が、

 

ブルブルの仕事する姿を、ひと目見ようと、やってきたようです。

 

”『ぼく、こわくないもんね』”

 

ブルブルは、がけの側まで走っていきました。というお話です。

 

あんなに大きくて、力持ちのブルードーザーにだって、怖いもの、

 

苦手なものはある。でもブルブルは逃げずに、立ち向かい、

 

ウサギさん家族を助けたことが、自信につながりました。

 

そしてあんなに怖かった崖での仕事も克服し、

 

精神的に成長していく過程が、働く車で表現されています。

 

力強くかっこいい働く車の弱点をみて、かっこいいヒーローのような存在から、

 

親近感、自分により近い存在に感じられ、困難を乗り越えていく姿に、

 

立ち向かう勇気をもらえる一冊です☆彡

 

《著者紹介》

作:こわせ・たまみ

1934年、埼玉県生まれ。早稲田大学卒業。

主に絵本、童謡・合唱曲のための詩をつくる。絵本には、『そばのはなさいたひ』(1986年エルバ賞受賞、佼成出版社)、『きつねとつきみそう』(金の星社)、

『きつねをつれてむらまつり』(教育画劇)、詩の絵本『うみのにじ』(国土社)、

紙芝居『ひ~らいたひ~らいた』(教育画劇)など多数。現在、日本童謡協会常任理事。

 

絵:末崎茂樹(すえざきしげき)

1948年、大阪生まれ。日本児童出版美術家連盟会員。主な絵本作品に、『わんぱくだん』シリーズ(ひさかたチャイルド)、『ともだちだいすき』シリーズ(偕成社

『やまねこせんはまべでキャンプ』(PHP研究所)、『くまさんのあたらしいカーテン』(佼成出版社)、『ちびねずみのひっこし』『おつきさまのとおるみち』(教育画劇)など多数。

※絵本より引用

【作:こわせたまみ 絵:末崎茂樹 出版社:教育画劇

 


ブルドーザのブルブル (のりものえほん)