★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

チョビットさんとモリダクサン  *さとうゆみか

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鮮やかな色彩が、シンプルなデザインに映える。

 

この絵本を読んでいて、金子みすゞさんの詩を思い出しました。

 

”みんな違って、みんないい”というあの有名なフレーズ。

 

みんな違う。どちらがいいというわけではなく、

 

それぞれの個性を生かして、与えられた場所で、与えられた役割を果たす。

 

みんな違うからこそ、時に助け合える。

 

一人では完成しないことも、みんながいれば叶うことを。

 

そんなメッセージを子どもに分かりやすく教えてくれる絵本です(*^-^*)

 

(絵本の内容)

 

チョビットさんたちは働き者。

 

毎日、岩や木や砂をちょびっとずつ運んで大忙し。

 

今みんなで公園を作っています。

 

雨の日も、風の日も、歌いながら、仕事をします。

 

あるあさ、チョビットさんが池の周りにおく岩を運んでいたら、

 

大きな大きなモリダクサンがやってきました。

 

チョビットさんたちは、その大きさに驚きました。

 

モリダクサンは”『ぼくなら そのいわ いっぺんに はこべるよ』”

 

そして岩を全部乗せると、力強く運び出しました。

 

モリダクサンのおかげで、あっという間に公園の池が完成しました。

 

モリダクサンは得意げで、チョビットさんたちは、

 

つまんなさそうな顔をしている子や、

 

すごーいと目を大きくしている子まで細やかな表情が描かれています。

 

その次の日は、ながいながいシーソーをはこぶことになりました。

 

けれどもチョビットさんたちでは、なかなか凸凹坂道を上手に運ぶことができません。

 

すると、モリダクサンがまかせてよ!と軽々と一人で運んでいき、

 

こうしてシーソーも無事に完成しました。

 

ますます得意げなモリダクサン。

 

さて、砂場に砂をいれる日がやってきました。

 

モリダクサンが、一回で多くの砂を運べるから、さぁ僕に砂を乗せてくれ!と言いました。

 

チョビットさんたちは、次から次へと、モリダクサンに砂を積み込みました。

 

さぁ、出発!っとモリダクサンが、急に近道を知っているよと走り出しました。

 

モリダクサンは上機嫌です!

 

とそのときーーーーー

 

ドッスーン!

 

モリダクサンはでこぼこ道の溝にはまってしまい動けなくなりました。

 

たいへん!

 

そこでチョビットさんたちは、モリダクサンに積んでいた砂をいったんおろして、

 

ロープでモリダクサンをひっぱり、脱出成功!

 

さっきまで得意気だったモリダクサンが、小さな声で、『ありがとう』といいました。

 

それから、みんなは、もういちど、砂を運びなおしました。

 

でこぼこ道を小回りのきくチョビットさんたちが、少しずつ砂をすくい、

 

モリダクサンに積んでいきます。あともう少し。

 

砂場ができて、公園が完成しました!

 

帰りはみんなで歌いながら仲良く。

 

”カタコト カタコト チョビットさん

ガタゴト ガタゴト モリダクサン

でこぼこみちなら チョビットさん

おおきなものなら モリダクサン

カタコト カタコト カタコトゴト”

 

この歌のフレーズは作品の中で、歌詞を変えて何度も登場し、

 

作品全体のリズムを刻んでいます。

 

子どもには絵を見せるだけで、何が起こっているのかわかりやすく、

 

何度も流れる歌のようなフレーズは、耳に残り、

 

鮮やかでシンプルな絵は赤ちゃんから楽しめる絵本だと思います☆彡

 

みんなで力を合わせて、一つのことを成し遂げる大切さや、

 

お互いのいいところを見つけ、生かすことの大切さを教えてくれる一冊です。

 

【作・絵:さとうゆみか 出版社:福音館書店