★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

青い花のえかきさん

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朝はゆううつ

 

学校なんていきたくないもん。

 

みんなは学校が楽しそうだし、好きみたい。

 

でも私は、学校が大嫌い。

 

友達もいないし、ひとりがいい。

 

べんきょうは難しいし、みんなと同じができない。

 

おしゃべりもきらい。なにをしても下手。

 

みんなは上手。

 

あるあさ、ママに、今日は学校をお休みする!と言うと、

 

ママは病気じゃないでしょう?

 

たしかに病気じゃない。でも私はおうちにいる時間が好きで、大事なの。

 

そして青い色の絵具を使って、青い花を描くのが大好きな時間なの。

 

あるばん、ママにみんなとおなじように出来ないと笑われるから、

 

学校にいきたくない。というと、

 

ママは『みんなと同じでないと何がいけないの?』

 

『ひとと 違うって 素敵と思えたらどんなにいいことでしょう』と言いました。

 

違うって当たり前なの?

 

違うから素敵なの?

 

私は違うって駄目なことだと思っていた。

 

外に出ると、外の世界がいつもと違って見えてくる。

 

ことりは自分のうたを歌っているし、自由に空を飛んでいるし、

 

木は背の高い木もあれば、低い木もあって、細い木、太い木、

 

みんな一本一本違う。

 

野原も黄色い花でいっぱいに見えるけど、よくみると青い花もいる。

 

この世界はいろいろ違うもので、出来ている。

 

同じものなんて、ひとつとしてないのだ。

 

私はずっとみんなと違うと思って、それがだめだと思っていた。

 

私、ごめんね。

 

わたしは、わたし。

 

青い花のえかきさんになって、生きていこう。

 

自分をずっと好きになれなくて、苦しかった少女が、

 

ママの一言で、ひとと違う自分、ありのままの自分を、

 

好きになるまでのストーリーが丁寧に描かれています。

 

青い花が好き、青色が好き。この年齢の女の子には、

 

胸をはって青い色を好きでいることが難しかったような思い出があります。

 

みんなピンクや赤が当然のように好きで、かわいい女の子らしい色が好き。

 

なぜかみんなが好きな色。青は男の子色、かわいくない色という

 

認識がいつの間にかあって、学校という集団は時に息苦しい。

 

自分の好きなもの、好きなことを、胸をはって言える、

 

それをみんなが、”ふつうのこと”として受け止めてくれたら、

 

どんなにか幸せだろう。

 

世界を急に変えていくのは難しいけれど、自分が変わることはできる。

 

女の子は自分の好きなもの、好きなことを、大切にすることを決めた。

 

きっとそれ以上に大切なことって、ないのかもしれません。

 

【作:ソーニャ・ハートネット 絵:ガブリエル・エヴァンス 訳:みらいなな

 出版社:童話屋】

 

 


青い花の えかきさん