この絵本は人生で大切なことは何かを、ぎゅっと詰めたような一冊です!
それは、教科書や辞書には載っていないとっても大切なこと。
子どもは本当に教わるのが上手だ。素直に何でもスポンジのように吸収していく。
この絵本に登場する全ての教えれくれる人たちも、
決して誰かに教えようとしているわけではなく、
ただひたすらありのままに、そこに存在しているだけ。
そこから子どもはたくさんのことを学んでいく。
歩き方は猫が教えてくれたし、飛び越え方は犬が教えてくれる。
走り方は馬が教えてくれ、土の中のことはありさんが教えてくれる。
花の香りや蜜の味は、ちょうちょが教えてくれた。
歌は小鳥が教えてくれるし、学校では先生が、そして周りのお友達が教えてくれる。
動物や虫の特長がそのままに生かされた物語りです。
子どもならではの視点を失っていない、五味太郎さんがいつもスゴイと感じます。
誰かを尊敬する気持ち、ひとりひとりの良いところを見つける力、
周りを観察する力、素直な気持ち。
自分の周りを見渡せば、みんなが自分の先生だ。
こんなふうにまっすぐ大人になってほしいなぁと思いながら読み聞かせしました。
大人も子どもも、みんな人間は一生学ぶ生きもの、
考え続ける生きものなのでしょう。
五味太郎さんの言葉は哲学的で、詩的で、日本の色彩でまとめられた絵本は、
日本の古き良き時代(こころ)を教えてくれるように思います。
【作・絵:五味太郎 出版社:絵本館】