化石が語るトリケラトプスのお話です。
草食恐竜の中で、一番大きく、最強と呼ばれているトリケラトプスは、
唯一肉食恐竜で獰猛なティラノザウルスと戦うことができた恐竜と言われています。
化石から、角にティラノザウルスの歯型がついているもの、
えりまきをかじられているものが見つかっているようです。
化石を元に作られた絵本です。
トリケラトプスは集団で動いていました。
小さな赤ちゃんや子どもを中心に、周りを大人で囲み、草原を渡り歩いていました。
どこから敵がせめてきても守れるように。
普段からオスはツノ付き試合をして、誰が一番強いか、力比べをしながら、
仲間で切磋琢磨しています。
まだ赤ちゃんのトリケラトプスはツノが短く、ほとんどありません。
立派なえりまきは健在です。
ティラノザウルスの目当ては、トリケラトプスの子どもたちです。
手ごわいオスが群れから離れたすきを狙います。
子どもが一人群れからはぐれています。
するとそれを見つけた子どものティラノザウルスが、トリケラトプスの子どもに向かってきます。
危機一髪お父さんが気づき、難を逃れましたが、今度は群れが何頭もの
大人のティラノザウルスに囲まれています。
トリケラトプスのお父さんは、群れを助けに向かいます。
トリケラトプスの群れが一団となってティラノザウルスと正面から
戦います。必死で家族、群れ、子どもたちを守ります。
化石から生き物の暮らし、生き方が読み取れます。
子どもと一緒に想像を膨らませて、恐竜の生きた世界に想いを馳せました。
《著者紹介》
作:黒川みつひろ
1954年大阪市生まれ。恐竜や古生物に造詣が深く、恐竜絵本作家として活躍中。現在、東京都練馬区にアトリエを構える。恐竜の講演、ワークショップなどの活動も行う。
主な作品に『恐竜の谷ー小さな恐竜親子の物語ー』『絵巻えほん新・恐竜たち』(こぐま社)、『恐竜の大陸』シリーズ、「たたかう恐竜たち」シリーズ、『恐竜あいうえお』(小峰書店)など多数。化石の痕跡に注目し、想像をふくらませて描いた絵本はこれで2作目。前作に『けがをした恐竜ー化石が語るティラノサウルスの話ー』(こぐま社)がある。(社)日本児童出版美術家連盟会員。
※絵本より引用
【作:黒川みつひろ 出版社:こぐま社】