シモンが学校から家までの帰り道で、たくさんの落とし物をします。
その落とし物を探すユニークな絵本。
舞台はパリの街。
都会の街並み、秋の紅葉した木々、博物館や美術館、広場の曲芸を観たり、カフェ、
楽しい寄り道をしながら、家路を急ぐシモンと姉のアデール。
帰り道持っていた猫の絵や、本、身に着けていたマフラー、手袋、帽子、
クレヨンにかばん、コートにセーターを次々に落としてなくしてしまうシモン。
探しても見つからないし、シモンはすっかりなくしたことさえ忘れて、
次に興味のあるものにまっしぐらです。
家に着くころには、薄いブラウスとズボン姿になっているシモン。
姉のアデールは一緒に歩いていて、その度にシモンがものをなくすので、
探しますが、何ひとつ見つからず、最後にはシモンさえ見失ってしまい、
ひとりヘトヘトに。
シモンがようやく家に戻ってきて、しばらくすると、ドアをたたく音がしました。
玄関を出てみると、そこには、シモンの落とし物を拾って届けに来てくれた人の
長蛇の列ができていましたというお話。
緻密に描かれた絵の中に、それぞれのページにシモンが落としたものが隠れて居ます。
それを親子で見つける作業がとても楽しい絵本です。
目を凝らしても、すぐに見つかるものばかりではなく、意外な場所から出てきたり、
どっちが先に見つけられるかなぁ?と競争しながら、パリの美しい風景にうっとりしました。
20世紀はじめのパリの街を再現しているそうで、最後のページには、
歴史的建造物の説明や、文化、歴史をたどっていけ、
タイムスリップしたパリの街を観光している気分になります(*^-^*)
【作:バーバラ・マクリントック 訳:福本友美子 出版社:あすなろ書房】