チェブラーシカとお友達のワニのゲーナさんが2人ではじめての旅行に出かけるお話。
切符を買って、ふたりは汽車に乗り込もうとすると、
町でいちばんいじわるなおばさんのシャパクリャクさんにばったり会いました。
シャパクリャクさんが乗ったのは、汽車の屋根の上でした。
高い場所が好きなのか?それとも切符を持っていないのか?
チェブラーシカと、ゲーナは旅行に行ったら花火をしようと大盛り上がりです。
そこに車掌さんが切符のチェックにやってきました。
しかし二人は切符を探しても見つかりません。
切符がないなら、降りてくださいと言われ、仕方なく電車を降りることになりました。
なんと二人の切符はシャパクリャクさんが持っていたのです。
二人は返しなさいと追いかけるも、こんな足の速いおばさんは見たことがありません。
切符を取られてしまったふたりは、旅行をやめて、帰ることにしました。
きっと線路の上を歩いていけば、迷わずに帰る事ができると、
二人は重たい荷物を持ちながら、仲良く歩き始めました。
途中で線路が二つに分かれています。
どっちかなぁ?ゲーナがこっちに行ってみようと行った先には、
豊な森が広がっていました。
旅行の変わりに森に行ってみることにしました。
森の木の上で、町でいちばんいじわるなシャパクリャクさんが、二人をこっそり見ていました。
おやおや荷物の中の四角い綺麗な箱に入っているのはなんだろう?
ケーキかな?よし、ケーキも盗んでしまおうとずうずうしいシャパクリャクさん。
チェブラーシカたちは、森の中で木の実やきのこを拾いました。
そこに大きな口をあけた、見たこともないきのこに遭遇しました。
二人が近づこうとすると、シャパクリャクさんが
あぶない!近づいてはダメ!それは、きのこじゃなくて、獲物を捕らえるしかけだよ。
町でいちばんいじわるなシャパクリャクさんは、親切なおばさんでもあるようです。
そこへ罠をしかけた3人組が現れます。シャパクリャクさんは、上手に3人を追い払いました。
そして3人は一緒に仲良く歩き始めました。
そこで、またあの3人がやってきて、チェブラーシカたちはお腹を空かしているであろう
3人組のケーキの箱を渡すと、中からケーキではなく、花火が打ちあがりました。
駅につくと、今から旅行の出発だと、シャパクリャクさんが二人に切符を返し、
私は屋根の上が指定席だからといなくなってしまいました。
ゲーナとチェブラーシカも屋根の上にこっそり登り、3人は夜空を見上げながら、
歌を歌い仲良く3人の旅が始まりました。
途中いろんなハプニングに見舞われながらも、互いに助け合い、
この旅で友人が増えました。
二人のふりだしに戻ったような長い長い旅の始まり。
旅は色んなハプニングが起きたり、不便なことも多いけど、
その経験すべてが旅の醍醐味でもある。
チェブラーシカってどんな動物?生き物?と思っていたら、
本の見開きページに、ロシア語で『ばったり倒れ屋さん』という意味の不思議な生き物
だそうです。
人生も長い旅。旅の途中で行き倒れ、そんな最後も決して悪くないですね(*^^)v
【原作:エドゥアルド・ウスペンスキー 訳:こじまひろこ 文:やまちかずひろ】