離れて暮らすおばあちゃんからもらった青い色のきれいな石が、
モーリーの宝物です。
今日はクラスのみんなにこの石を見せたくて、モーリーは学校に持って行きました。
まず先生に青い色の石を見せようと思い教室に入ると、
他のお友達が何やら先生と二人で楽しく話しています。
モーリーは青い石を手の中で大事に持ちながら、一人立ち尽くしていると、
他の友達がモーリーの手の中の青い石を見つけ、モーリーに見せてと話しかけてきて、
次々に人が集まってきます。
モーリーは少し照れ臭そうに、石の話をしようとすると、前を通りかかった男の子が、
別の話題をふり、みんなはモーリーの話を聞く前に、男の子の元へとかけより、
話題がうつってしまいました。
みんなに自分の宝物を見てもらいたかったモーリーはとてもがっかり、
悲しい気持ちになって、ひとり涙がこぼれました。
モーリーの悲しそうな様子を見て、先生がモーリーにどうしたの?と話しかけます。
そして先生は手を叩いてみんなの注意を向けると、
モーリーの話を聞き、素敵な石ね!と褒めました。
すると、周りのお友達もまた戻って来て、みんながモーリーの話に耳を傾け、
モーリーにとって最悪な日から、先生の一言で素敵な1日になりましたというお話。
たくさん生徒がいる中で、先生がしっかり自分のことを見ていてくれる、
自分の気持ちに寄り添い、答えてくれる、それだけで、
教室に居場所ができるし、教室が安心な場所になる。
ちょっとしたことで、幸せな、素敵な日に変わる。
自分の気持ちを人に伝えるのが難しい子、どうどうと自分の想いを伝えられるけど、
人の話を聞くのが苦手な子、好奇心旺盛で興味の対象の変化が早い子、
人一倍繊細で泣き虫な子、強がってリーダーみたいだけど、本当はやさしい子、
いろんな子がひとつの教室で生活しています。
そのバラバラの個性を生かし、まとめるのも、先生の力あってのことだったりします。
学校の道徳などの授業の読み聞かせや、先生に読んでもらいたい絵本です☆彡
《著者紹介》
作:マイケル・ローゼン
1946年、イギリス生まれ。数々の受賞歴をほこる作家であり、詩人。1997年、児童図書に多大な貢献をしたとして、Eleanor Farjeon賞を受賞。絵本に『きょうはみんなでクマがりだ』(評論社)、『悲しい本』(あかね書房)など。
絵:チンルン・リー
1965年、台湾生まれ。チンルン・リーは言う。「この絵本に登場する先生は、私の母を思わせるわ。母も先生のようなすてきな教師なの」『100ぴきのいぬ100のなまえ』『きょうもいいこねポー!』(フレーベル館)など、絵本の著書多数。
訳:きたやまようこ
1949年、東京生まれ。『ゆうたくんちのいばりいぬ』シリーズ(あかね書房)で、
第20回講談社出版文化賞絵本賞を受賞。『りっぱな犬になる方法』(理論社)で、第40回産経児童出版文化賞推薦、『じんべいの絵日記』(あかね書房)とともに第16回山本育三記念路傍の石幼少年文学賞受賞。その他『こぶたの赤ちゃん』シリーズ(偕成社)、『いぬうえくんとくまざわくん』シリーズ(あかね書房)や『まねきねこ たい吉のゆめ』(
金の星社)、『100ぴきのいぬ100のなまえ〈訳〉』『きょうもいいこねポー!〈訳〉』(フレーベル館)など著書多数。
※絵本より引用
【作:マイケル・ローゼン 絵:チンルン・リー 訳:きたやまようこ 出版社