★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

まあちゃんのながいかみ  *たかどのほうこ

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お友達は髪がながく、まあちゃんは短いおかっぱヘア。

 

友達2人が、背中が隠れるまで伸ばすんだぁと話しているのを聞いて、

 

あたしだったら、もっともっと伸ばすと張り合うまあちゃん。

 

まあちゃんがどれぐらい伸ばすかというと・・・

 

長い三つ編みを編んで、橋の上から川へおろして、

 

自分の結ったおさげで、魚釣りができるぐらいに。

 

それからね、

 

牧場のウシと、長いおさげで綱引きだってできる。

 

三つ編みを2本にして、それぞれ両側の木にくくれば・・・

 

家中の洗濯ものを全部、干すことができる。

 

まあちゃんは洗濯ものが乾くまで、本を10冊読んで過ごすんだって。

 

まあちゃんが今読んでいる絵本が『どろんこハリーだ!』と子どもが叫ぶ。

 

私も思わず見つけて嬉しくなる。何気に名作を読んでいるまあちゃん。

 

シャンプーをしたら、空まで届くソフトクリームのように。

 

洗って髪を乾かすのほどうするかと言えば、

 

この長さに髪が伸びる頃には10人の妹がいるはずと

 

まあちゃん。10人の妹がまあちゃんの髪を10台のドライヤーで乾かしてくれるそう。

 

友達二人が、でもそんなに長かったら、歩くたびにひこずってしまいそう。

 

邪魔にならないかな?とあきれ顔。

 

まあちゃんは大丈夫、パーマをかけるからと・・・

 

まるで木みたい。

 

小鳥や葉っぱ、お花、木の実がみんな集まってきて、賑やかな森になるんだって。

 

まあちゃんの楽しい想像が絵本になっている。

 

想像は自由だ。だから不便なんて考えずに、楽しいこと、面白いことばかりが浮かぶ。

 

女の子は1度は、髪の長さにあこがれを持つのでは?と思う。

 

とくに幼少期は髪の長いお友達がうらやましかった。

 

自由自在に髪型を変えて、かわいいヘアアクセがまぶしかった。

 

小さな女の子たちの女子会が奇想天外でとても楽しい絵本になっています♪

 

ページをめくるたび予想をを裏切られ、ワクワクする一冊です☆彡

 

《著者紹介》

作:高楼方子(たかどの ほうこ)

1955年、北海道函館市生まれ。東京女子大学文理学部日本文学科卒業。

絵本、童話、児童文学など、子どもの本の世界で活躍している。

主な作品に『まあちゃんの まほう』『みどりいろのたね』(ともに福音館書店)、

『つんつくせんせいどうぶつえんにいく』(フレーベル館)、『へんてこもりにいこうよ』(偕成社)、『ターちゃんとルルちゃんのはなし』(アリス館)『のはらクラブのこどもたち』(理論社)などがあり、 長編の物語に『時計坂の家』『十一月の扉』(ともにリブリオ出版)、『森の模様画』(福音館書店)などがある。札幌市在住。

※絵本より引用

 

【作・絵:たかどのほうこ 出版社:福音館書店

 

 

 


まあちゃんのながいかみ

 

 

 

1まいのかみのどうぶつたち  *谷山庸生

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A4サイズの紙を用意する。画用紙のような硬い紙がおすすめ。

 

それからハサミがあれば、あっという間にどうぶつが生まれる工作絵本。

 

1回目の読み聞かせは、そのままいつも通り絵本を最後までさらっと読んでみる。

 

2回目には、子どもが作ってみた~い!となるので、

 

お家にある材料で簡単にまねして制作することができるのがこの絵本のいいところ。

 

いますぐに始められる体感型絵本です(*^-^*)

 

4歳の息子と一緒につくってみる。

 

なみなみを同じ幅で折るのが難しそう。

 

多少幅は違うものの、ハサミで直線切りすると、ぞうさんの出来上がり。

 

うちはマジックをつかって顔も描いてました。

 

これだけのことだけれど、子どもは満足気に出来た!という達成感を得たようです。

 

次に、残った半分の紙をまた半分の大きさに切る。

 

キリンさん。これは完成図を見ながら、大人も頭をひねりながら作りました。

 

作ってみると、案外単純で、ちゃんとキリンに見えるからすごい。

 

コピー用紙だと自立が難しかったので画用紙などの厚手の紙がおすすめです。

 

先ほど切っておいた半分の紙を、またさらに半分に切ります。

 

おさるさん。

 

おさるさんの顔を切るのは、ちょっと4歳の息子には難しかったようで、

 

大人が手伝い無事に完成。

 

一枚の紙が、こんなにも立体的に変身していく。

 

絵本を元に実際に全て作ったのがこちら↓

 

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ぞう、キリン、カバ、サル、ハクチョウ、ウサギ。

 

すべて1枚の紙から生まれた動物たち。

 

子どもに、どうしたらこの形を作ることができるか、仕組みや方法を一緒に

 

考えることができ、ハサミや折り紙の練習になり、

 

手先を使う訓練になる絵本です!

 

読みながら、体と頭を動かして、遊べる絵本です。

 

子ども向けにスモールステップになっていて、4歳の子でもできる作業、

 

一人で完成できる動物もありました。

 

ハサミや折り紙で遊べるようになってから、挑戦してみると楽しい絵本だと思います(*^-^*)♪

 

【作:谷内庸生 撮影:西山悦子 出版社:かがくのとも】

 

 

これならわかる!クイズ式たのしい恐竜学  *福井県立恐竜博物館

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いつか子どもと行ってみたい福井県立恐竜博物館が監修している、

 

恐竜の専門家が手掛ける、恐竜図鑑です(*^-^*)

 

他の恐竜図鑑との違いは、クイズ式で、恐竜に関するあらゆる知識を、

 

深く追求して学べる事です。

 

恐竜の種類や生きた時期、生息地など、骨が発掘された場所だけでなく、

 

だれが恐竜の名前をつけるのか、恐竜の名前に使われる言葉にはどんな意味があるのか、

 

恐竜の発掘の仕方、発掘に使われる道具の紹介、化石のクリーニング作業の紹介、

 

鑑定作業などが紹介されているのもこの図鑑ならではです。

 

また実際に発掘された恐竜をどのように組み立てて、博物館に展示するかも

 

見ることができます。

 

恐竜を発掘の最新の研究結果から、

 

ティラノザウルスは、アメリカ大陸のものだと思われてきましたが、

 

中国で発見されたディロングがティラノザウルスの直接の祖先ではないかという説があるそうで、

 

もしかしたら、ティラノザウルスはアジアが最古かもしれません。

 

ティラノザウルスの頭の大きさは1.5mととても大きかったなど、

 

子どもにも驚きの新しい発見がいろいろあったようです。

 

図鑑は漢字にフリガナがあったり、なかったりで、少し言い回しが難しい箇所もあるので、

 

小学生中学年ぐらいからおすすめの図鑑です(^^)/

 

園児の息子は読み聞かせして、一緒に読みました☆彡

 

福井県立恐竜博物館を訪れる前にこの図鑑を読んで予習していきたいなと思いました(^^♪

 

毎日、恐竜の研究をしている専門家による図鑑なので、信頼できる図鑑です!

 

【著:福井県立恐竜博物館 出版社:今人舎

 


これならわかる!クイズ式たのしい恐竜学

ともだちがほしかったこいぬ  *奈良美智

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いつもひとりぼっちで、とっても さみしかったこいぬ。

 

どうして、ともだちができなくて、ひとりぼっちだったかというと、

 

それは地球を飛び出てしまうぐらい、大きすぎたから。

 

こいぬがあまりに大きすぎて、だれも見つけることができなかったのだ。

 

そこに、ひとりのちいさな おんなのこが

 

こいぬに気が付いた。

 

おんなのこは、こいぬの足をよじ登っていく。

 

まだ、女の子はこいぬだと気づかず、ひたすら上へ上へよじ登っていく。

 

どんどん のぼっていくと、広く、平らなところに出て、

 

おんなのこは、それからも、どんどん 前に進んで歩いた。

 

おんなのこはついに、こいぬのあたまの てっぺんまで きたときに

 

すべって ころんで ごろごろ どっしん!

 

何かにぶつかった。

 

何だろう?はたと前をむくと、

 

おんなのこは、すごくびっくりした。

 

なぜなら、今まで見たこともないほど、大きな、目が二つ。

 

おんなのこと こいぬは しばらく目を合わせたまま、言葉を失った。

 

こいぬも、とつぜん鼻先に訪れた、小さな小さな おんなのこに

 

びっくり驚いた。

 

今まで誰にも見つかられず、こうやって、目を合わせることなんてなかったから。

 

ずっとひとりぼっちだったんだ。

 

おんなのこは最初はびっくりしていたけど、

 

だんだんと楽しくなってきた。想像をはるかに超える出来事に、

 

怖いよりも、心がわくわくとはずんだ。

 

おんなのこは、こいぬの顔の上で、歌をたくさん歌った。

 

そうしてこいぬとおんなのこは、ともだちになった。

 

ちいさなおんなのこと、おおきなこいぬは、

 

ときどき けんかもしたけど、

 

いっしょにたのしく遊びました。

 

”きみが もしも ひとりぼっちで とても さびしくても

 

きっと どこがでだれかが きみとであうのを まってるよ

 

だいじなのは さがすきもち!”というお話。

 

 

大きい体なのに、あくまでこいぬ。

 

まだまだこれからも宇宙を突き抜けるぐらい大きくなるのかもしれない。

 

小さすぎても見つけてもらえないし、大きすぎても見つけられないという視点が

 

読者には新鮮にうつる。

 

地球からはみ出してしまうほど大きなこいぬは、私たちの想像の概念をはるかに

 

飛び越えていく。

 

今いる場所、今ある時間が人生の全てじゃない。

 

明日になったら、未来はどうなっているかなんて誰にもわからない。

 

探せば、歩けば、どこにだって私たちは向かうことができるんだよ。

 

と強いメッセージを感じさせる一冊です。

 

奈良美智さんの描く子どもはどこか、無垢ななかにも、子どもの狂気をはらんでいて、

 

いたずら大好きな、子どもらしい子どもが描かれているところが魅力。

 

奈良美智さんの展覧会にも何度か日本各地を回ったけれど、

 

いつも新しい視点をもたらせてくれるアーティストさんです。

 

《著者紹介》

作:奈良美智(ならよしとも)

愛知県県立芸術大学大学院終了後、ドイツに。

ドイツ国デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍し、A.R.ペンクよりマイスターシュウラーを取得。現在もケルンよりベースに制作活動を行う。

98年、UCLAで3か月客員教授をつとめる。

ヨーロッパ・アメリカ・アジアなどで作品を発表、世界的規模で活躍している。

著書に、『深い深い水たまり』(角川書店)、『Slash・with a Knife』『UKIYO』(リトル・モア)などがある。

※絵本より引用

 

【作・絵:奈良美智 出版社:マガジンハウス】

 

 

 


ともだちがほしかったこいぬ

 

みどりいろのバス   *ジョン・シャロン

  

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みどりいろのバスは、歳をとったバスで、1日の仕事は

 

毎日、1回だけ田舎みちを、しゅうてんまで 走っていきます。

 

もうそれ以上は働けないほど、くたびれていました。

 

ある日、バスの運転手と車掌さんが、みどりいろのバスを

 

森の中に捨ててしまい、バスはとても悲しそうでした。

 

しばらくすると、森の中に子どもが2人やってきて、

 

みどり色のバスを見つけて、これは素敵なおうちになりそうと、

 

2人はバスの窓にきれいなカーテンをつけたり、座席をベッドにつくりかえたり、

 

屋根にえんとつをつけて、ご飯をたべるテーブルを置き、

 

バスの中を色々と改造し始めました。

 

森の中での暮らし、バスの中での暮らしは なんと楽しいかったことでしょう。

 

ところが、そんななか、背の高い ステッキを持った男の人が現れて、

 

私の森にバスを止めるなんてと怒り出しました。

 

2人はバスを移動させようとするも、全くびくともしませんでした。

 

垣根からひょっこり顔を出した馬が、”「私でよければ、手伝うよ」”と

 

2人に力を貸してくれました。

 

馬がみどりいろのバスを引き、町へ降りてくると、なんと市役所で火事が起きています。

 

丁度通りすがったみどりのバスが、建物の2階に残された人を、屋根におろして救出し、

 

みどりいろのバスはたちまち、町の英雄になりました。

 

その後もみどり色のバスは、坂道をくだっていると、

 

目の前に見えてきたのは海です。

 

もうブレーキの利かないバスは海へまっしぐら、そのまま海へ飛び込んでしまいました。

 

馬は寸前のところで、逃げ、子どもたち2人はバスの屋根に避難したので、

 

無事です。

 

海から屋根だけが出ている状態は、まるで難破船みたいです。

 

時間が経つと、潮が引き、ようやく海からバスを海岸に引き上げることに成功しました。

 

おっと、海から出たみどりのバスのなかには、大量の魚でいっぱいに。

 

おじいさんがやってきて、魚をわけてくれないかね?って言われました。

 

おじいさんはその代わりに、バスも馬もわしのところで暮らしていいよと、

 

2人は長かかったみどりのバスと馬との冒険を終え、うれしくなりました。

 

おじいさんはどうやらもう働けなくなった船のおうちに1人でくらしているようです。

 

というお話です。

 

捨てられたみどりのバスが引き寄せた、人や動物、冒険の数々。

 

捨てる神がいれば、拾う神あり。

 

また似たような、働けなくなった船で暮らすおじいさんとの新しい出会いから、

 

森から海へ、バスの新しい人生が始まることになりました。

 

古くなったから捨てる。どんどん新しいものが生まれる時代で、

 

モノの寿命も短くなっている昨今。

 

古くなったものを工夫して、大切にする気持ちを教えてくれる1冊です。

 

 

《著者紹介》

作:ジョン・シャロン

15歳のとき最初の短編が、雑誌に掲載されて以来、今日まで新聞、雑誌を舞台に、

多くの作品をつくってきました。

1924年、ジャーナリストと作家の両親のもとに生まれ、戦後、戦車隊の指揮官をしている頃、ドイツの出版社ダー・シュピーゲルで作家としてスタートしました。

この「みどりいろのバス」は、彼の最初の絵本で、イギリスでは、

すでに20年以上にわたって、出版され続けている傑作です。

シャロンは、林業にたずさわったり、コックとして働いたこともある多彩な経歴をもっており、現在も農園をもち、80頭をこえる牛を飼ったり、広いぶどう園で採れるぶどうで、飲みものを自分でつくったりしています。

「もう子どもたちは、大きくなりましたが、私の創作のきびしい批判者でした」と

シャロンは語っています。「空とぶスチーム・ローラー」「となりの家」などの多くの

絵本は世界じゅうの子どもたちに親しまれています。

※絵本より引用

 

【作・絵:ジョン・シャロン 訳:こだまともこ 出版社:ほるぷ出版

 

 

 

 

 

 

 

ゆうれいとすいか  

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『ゆうれいとすいか』と聞くと、どちらも夏の風物詩!?のようで違和感を感じないけれど、

 

字並びを見ていると、あまりセットでは見かけない並びだ。

 

どんな内容なのだろうと想像に、胸をふくらませページをめくると、

 

ゆうれいさんにとっても夏は暑いようで、

 

井戸で誰かが冷やしていたたスイカを食べたくなって

 

がまんできず、食べてしまった。

 

すいかを冷やしていた男がそこにやってきて、

 

『ひとさまのすいかを食べて、ゆうれいとしてはずかしくないのか!べんしょうしてくれ!』

 

と怒り出す。

 

人としてじゃなくて、ゆうれいとしてという言い方もおもしろいけど、

 

ゆうれいに遭遇したのに、まったく怖がっていないどころか、べんしょうしてくれ!と

 

本気で怒っている男もまた面白い。

 

ゆうれいさんも泣きながら”もうしませんから~おゆるしを~”と泣き出す。

 

男は幽霊の手をひっぱると、許すかわりに言うことを聞くんだと、

 

男の家までひっぱっていきます。

 

ゆうれいをおうちに連れていくの!?

 

手は掴めるんだとか、大人は変な概念で読むから、つっこみどころ満載www

 

男はまず最初に、蚊をたおしてくれと頼みました。

 

するとゆうれいは、あまりにたくさんの蚊にどうしたらいいかと考えて・・・・

 

ところてんをつくる道具を男にかりて・・・・

 

その道具にひゅるっと入ると、男にキューと押し出すようお願いして、

 

押し出すと、一人だった幽霊が、たくさん増えて、

 

それぞれに蚊を追いかけていく。

 

このご時世に、なんて効率のいい方法でしょう。

 

そして男はゆうれいにお礼を言うと、

 

”それにしても、やっぱり すいかが ほしいなぁ”と言い、

 

”『わかりました。にんげんの せかいの すいかで なくてよければ、すぐ もってきますが・・・・。』”

 

とおばけくみあいで つくった すいかをひとつもってきた。

 

中を割ると、赤いすいかではなく、真っ青なすいかが。

 

食べてみると、さむい、さむい。体がよく冷える。

 

この珍しくて、体が心底冷える、ブルーのすいかは町でも売れるぞと男は考え、

 

ゆうれいにたくさん持ってきてもらうと、

 

”ひときれ たべれば ぜったい すずしくなる おいしい すいか”と

 

うたって、町の人に売りましたというお話。

 

本当に涼しくなりそうなスイカだけど、やっぱりスイカは赤がいいなぁと思ってしまった。

 

登場してくる幽霊も、人間らしい一面があって、とても愛嬌があります。

 

すいかを食べられて怒った男も、ゆうれいを人のように接していて、

 

まったく怖がっていない。

 

せなけいこさんが描くおばけ絵本は、おばけで人を怖がらせるんじゃなくて、

 

おばけをもっと身近にして、おばけのことが好きになってしまうから、

 

ユニーク(*^-^*)

 

ちょっと過ぎてしまったけど、夏にぴったりな1冊です★

 

《著者紹介》

作:黒田 薫(くろだかおる)

東京生まれ。和光大学卒業。絵本店、雑誌社勤務の後、

図書館で読み聞かせをしていた。作品に「ゆきだるまのあたま」(すずき出版)

「ふしぎなシャベル」(メイト)、「はやおきおばけ」(フレーベル館)、紙芝居に

「だれかおしえて」(童心社)など。

 

絵:瀬名恵子(せなけいこ

東京生まれ。武井武雄氏に師事。児童出版美術家連盟会員。

JBBY会員。「いやだいやだの絵本」により、サンケイ児童文化賞受賞。

作品に「おばけのてんぷら」(ポプラ社)、「かみなりのおやこ」(童心社)、

「おおかみのでんわ」(金の星社)など多数。

※絵本より引用

【作:くろだかおる 絵:せなけいこ 出版社:ひかりのくに

 


ゆうれいとすいか

アルマの名前がながいわけ    *フアナ・マルティネスーニール

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"アルマの名前をぜーんぶ書くと、アルマ・ソフィア・エスペランサ・ホセ・プーラ・カンデラ。”

 

外国人の名前には、その家の歴史が刻まれている。

 

画家のピカソの本名を知った時、なんて長い名前なんだろう。

 

本人も自分の名前を覚えられるのかな??といらぬ心配をしてみたことがある。

 

アルマも自分の名前がなんで長いのかパパに聞いてみた。

 

パパはアルマの名前の、ひとつひとつに物語りがあるんだと話した。

 

”ソフィアは、おまえのおばあちゃんからもらったんだ。

 

おばあちゃんは、本と詩とジャスミンの花が大好きだった。もちろんパパのこともね。

 

パパに字のよみかたをおしえてくれたのは、おばあちゃんだよ”

 

”『わたしも、本や花がすき。それに、パパもだいすき!』

 

わたしはソフィア”

 

”『エスペランサは、おまえのひいおばあちゃんの名前だよ』と、パパがつづけます。

 

『ひいおばあちゃんは、ずっと旅にあこがれていた。生まれた町から出ることはなかったが、

 

ひとりむすこは船のりになって、七つの海をめぐったんだ。ひいおばあちゃんの心は、

 

むすこといっしょに旅をしたのさ』

 

『世界って、ひろいね!わたしもあっちこっち行ってみたい。パパといっしょに!

 

わたしはエスペランサ』”

 

パパといっしょに、アルマのひとつひとつの名前に込められた物語をたどっていき、

 

自分という人間がどのように生まれて、先祖と繋がっているかを知る旅の最後に、

 

アルマの名前についてきくと、

 

”『アルマは、パパがおまえのためにえらんだ、とっておきの名前さ。

うちの家族で、おまえがさいしょのアルマだ。アルマのものがたりは、これからおまえがつくっていくんだよ』”

 

私たちが生まれて最初に受け取るプレゼントは、一生もの。

 

先祖を大切にする文化は外国も日本も同じ。

 

たった一人で生まれてきた人はいない。みんなたくさんの歴史を繋いで、

 

この世に生まれてくる。

 

子どもと名前の由来など話すきっかけや、

 

自分はどんな風にこの世に生まれたかのルーツを知るためのきっかけにいい一冊です!

 

 

《著者紹介》

作:フアナ・マルティネスーニール

ペルーの首都リマ生まれのイラストレーター。2018年、La Princesa and Peoの絵で、

プーラ・ベルプレ賞(ヒスパニック系作家による、すぐれた児童書に贈られる賞)を

受賞。本書(原題「Alma and How She Got Her Name(英語)」/Alma y como obtuvo su nombre(スペイン語)」)は文と絵の両方をかいたはじめての絵本で、2019年コールデコット賞オナーを受賞した。現在は夫と3人の子どもとともに、米国アリゾナ州に暮らしている。

※絵本より引用

【作:フアナ・マルティネスーニール 訳:宇野和美 出版社:ゴブリン書房】

 


アルマの名前がながいわけ