★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

キャベツくん *長 新太

f:id:kiko_book:20210624112938j:plain

 

お腹がすいている時、空に浮かぶ雲を見て、『あれ、ソフトクリームだ!』とか、

 

『あの雲は目玉焼き!』『あの雲はわたあめだ!』と言い合いながら、

 

パクって雲を掴んで口に運んで、空気をたくさん食べた記憶が浮かびました。

 

キャベツくんに登場する、ブタヤマさんも、お腹がすいていたから、

 

空にいろいろ想像したものが、景色として浮かびあがったのかもしれません。

 

キャベツくんが歩いていると、ブタヤマさんに会いました。

 

ブタヤマさんはお腹がペコペコで元気がありません。

 

キャベツくんを見つけるなり、キャベツくんを捕まえ、食べようとします。

 

キャベツくんは、ぼくを食べるとキャベツになるよと言いました。

 

キャベツになるとはどういうことでしょう?

 

ブタヤマさんはブキャ!と声を上げ、空を見た途端驚きました。

 

なぜなら、空にキャベツになったブタヤマさんが浮かんでいたからです。


ぼくを食べるとこうなるんだとキャベツくんがいいました。

 

ブタヤマさんは、じゃあヘビか君を食べたらどうなるの?

 

こうなるよとキャベツくん。

 

またまたびっくり、空の上でヘビのお腹に3玉のキャベツが連なったヘビが。

 

キャベツのお団子みたいなヘビです。

 

ブタヤマさんはその後も、タヌキ、ゴリラ、カエル、ライオン、

 

小さなノミから、大きなクジラまで。

 

たくさんの動物たちがキャベツを食べたらどうなるのか聞いて、

 

空に浮かぶ、見たこともない動物たちに『ブキャ!』とびっくりして、

 

その度にかぶっていた帽子を飛ばしてしまいます。

 

ブタヤマさんは、たくさんのキャベツを想像して、

 

これだけ食べたらお腹いっぱいなるだろうなと思いました。

 

子どもへ読み聞かせると、『ブキャ!』という繰り返し、

 

登場するブタヤマさんの叫び声に、大笑いしていました。

 

そして、キャベツを食べたら、動物たちがどんな風になるのか、

 

次のページをめくるのが楽しみでワクワクしてきます。

 

ノミはどうなるんだろう?と思いながらめくると、

 

まさかの何も空になくて、想像をいい意味で裏切られ、

 

そのあと登場する大きなキャベツのクジラには、

 

ブタヤマさんが、いよいよお腹が減ってきたんだなと思わせるビッグサイズの

 

ほぼ100%キャベツであろう、クジラさんが空に浮かびます。

 

果てしない自由な発想力で展開される一冊です。

 

 

《著者紹介》

作:長 新太

東京生まれ。1959年、絵本『おしゃべりなたまごやき』(福音館)で文芸春秋漫画賞受賞。1974年、絵本『おしゃべりなたまごやき』(福音館改訂版)で、国際アンデルセン賞国内賞受賞。1977年、絵本『はるですよふくろうおばさん』(講談社)で講談社出版文化賞受賞。作品に、『なんじゃもんじゃ博士』『ごろごろにゃーん』(以上福音館)、『のくのくれよん』(銀河社)、『もじゃもじゃしたものなーに?』(文研出版)などがある。また、エッセイ集、マンガなどがある。

※絵本より引用

【文・絵:長新太 出版社:文研出版 】

 


キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)