コラージュのような絵が印象的で、とてもおしゃれ。
絵をじっくりみたい絵本なので、言葉を読んで、絵だけを次に見て、
また交互に読んだり、見たりして、何度も読みなおしました笑
みんなそれぞれあるく、みんなそれぞれにとぶ
みんなそれぞれにはしり、みんなそれぞれにのびる、
おどる、まよう、かくれる、おどる、たべる、みる。
同じ音の言葉なのに、人だったり、動物だったり、怪物だったり、乗り物だったり、
同じ人でも立場が違えば、同じ言葉でも、全く違った状況、ニュアンスになる。
日本語は難しくて、そして深く、面白い。
例えば、『それぞれにあるく』では、
はりきって手を振りながら歩く人、歌いながら歩くフラミンゴ、
気持ちの良い風を感じながら歩く人、人生の雨に打たれながらうなだれて歩く人、
たまにあるくかもしれない木だったり、大きて優しい怪物は、何かを踏まないように、
身体は大きいのに、慎重に歩いたり、踏まれないように、ハリで身を守りながら歩く
ハリネズミ、ガォーと怒りながら歩くライオン、無理して竹馬に乗って歩く動物、
生まれて初めて歩く仔馬、それを見守りながら一緒に歩く親馬、どこまでも歩く旅人。
同じ歩くでも歩幅も違えば、速さも違う。歩く目的も違えば、向かうゴールもみんな
それぞれ。
『みんなそれぞれにおどる』では、
必死におどるブタ、酔ぱらっておどるタコ、うれしくておどるネコ、
天気がよくておどる女の子、息をあわせておどるバレリーナのうさぎ、
うさぎたちにまぎれておどるオオカミ、こころもおどる人。
心が躍っている人は、見た目には踊っているのがわからないかもしれない。
日本語の多彩な表現、豊かな感受性に触れました。
同じ音の言葉を切り口に、みんなのそれぞれを描いている。
同じ人は一人としていないし、比べられるものではない。
みんなそれぞれに生まれて、それぞれの人生を生き、
それぞれに悩み、それぞれに考え、それぞれに出会い、
それぞれに迷う。時には、みんなそれぞれに夢をみる。
みんなそれぞれに違うから、面白いし、尊い。
地球に生きるすべての生きものたちを、ありのままに肯定してくれる
一冊です(*^-^*)子どもにもこの絵本のような大きな視野と、
優しさを持ってもらえたらいいなと思い読み聞かせしました。
《著者紹介》
作:tupera tupera(ツペラ ツペラ)
亀山達矢と中川敦子によるユニット。絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、舞台美術、アニメーションなど、様々な分野で幅広く活動中。NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」では、アートディレクション担当。絵本『しろくまのパンツ』(ブロンズ新社)は、第18回日本絵本大賞読者賞を受賞。主な著書に、『木がずらり』(ブロンズ新社)、『かおノート』(コクヨS&T)、『ワニーニのぼうけん』(婦人之友社)、『やさいさん』『ぼうしとったら』(以上、学研教育出版)、『いろいろバス』(大日本図書)、『パンダ銭湯』(絵本館)など。
※絵本より引用
【作:tupera tupera 出版社:PHP研究所】