★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ちがうちがう   *accototo(ふくだとしお+あきこ)

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夜、お布団の中に潜り込んで、眠りにつくまでのわずかな時間のお話です。

 

電気をパチリと消して、暗闇が広がる部屋の中で、

 

そこは見慣れた自分の部屋のはずなのに、昼間とは様子が違ってみえる。

 

外から聞こえてくる音がみょうに不安を掻き立てます。

 

風のヒューという音がオバケの声に聞こえたり、カーテンがひらひらとはためけば、

 

誰かが部屋に入ってきたのでは?と感じ。

 

ちがうちがう、きっと風の音だ。

 

外から笑い声が聞こえてくると、オバケがこちらを見て笑っているんじゃないか。

 

オバケは一人じゃなくて、実は大勢いるのかもしれない。

 

ちがうちがうお隣さんの笑い声だ。

 

ネコの喧嘩する声は、オバケに怯えているように聞こえ、

 

ちがうちがうだたの喧嘩。

 

犬が仲間を呼ぶ遠吠えは、恐ろしい声に変わる。

 

遠くで鳴り響く花火のドーンと言う音は、巨人がこちらへ近づいているように感じ、

 

ちがうちがう、遠くの夜空にあがる花火。

 

部屋へ足音がせまってくる音がし、目をぎゅっと閉じて、布団の中で隠れて恐怖と

 

静かに戦っていると、ギィーッと気味の悪い音とおもに、

 

やはり足音が自分に近づいてくる。

 

電気がパッとつけられると、そこには仕事から帰ってきたお父さんが。

 

眠りにつくまでのわずかの時間、どうして夜は暗いだけで、

 

こんなにも心が恐怖へ傾くのだろう?

 

その度に自分で自分をちがうちがうって励ましながら。

 

次から次から頭に流れ込んでいく、怖い想像。

 

止めたいし、やめたいのに、止まらない。

 

そのうちに、いつの間にか、眠りの中へ。

 

気がつけば、朝になっている。

 

子どもの時も、大人になってからも、こんな夜がある。

 

絵本を読みながら、どんな結末が待っているのかわからなくて、

 

お父さんだとわかるまでは、ドキドキしながら、子どもと緊張感のある、

 

読み聞かせ時間になりました。

 

寝る前に読むことは、ちょっとできないかな~(*^-^*)

 

イラストもかわいいのに、私たちの想像する力が、スリルある絵本へ!

 

《著者紹介》

作:accototo(ふくだとしお+あきこ)

絵本作家。作品に『みんなにこにこ』『だれのあしあと』『きょうのそらはどんなそら』(大日本図書)、「うしろにいるのだあれ」シリーズ(幻冬舎)、『ポポくんのミックスジュース』など『ポポくん』シリーズ(PHP研究所)などがある。タオルや陶器のイラスト、壁画、絵画など幅広く活躍。

※絵本より引用

【作:accototoふくだとしお+あきこ 出版社:大日本図書】

 

 

 


ちがう ちがう