ある日、ウサギが自分の巣穴に戻ってくると、
なにやら中から声が聞こえてきて、
「はらぺこぴょんがぶりん、ウサギの耳がだいこうぶつ。ちょっきんときって、くっちゃうぞ~」
ウサギは一目散で逃げます。
そこへ猫がやってきて、助けてあげようとしますが・・・
はらぺこぴょんがぶりんが猫のしっぽをぬいて、くっちゃうぞ~。
猫は毛を逆立て、巣穴から逃げ出しました。
そこへクマさんが助けてあげようとしますが・・・・
はらぺこぴょんがぶりんにまえあしを食べるぞ~と言われ、
すっかり腰を抜かした様子。
もっと身体の大きなゾウも、怯えて木にしがみついています。
そこへカエルのお母さんがやってきました。
カエルのお母さんは誰よりも身体も小さいのに、巣穴に仁王立ちになると、
ぴょんがぶりんに、3秒で出て来なさい。と声をかけて出てきたのは果たして・・・
真っ暗な巣穴の中、声も大きく響き、誰がいるかわからない、見えないというのは、
どんなに獰猛な動物や、大きな動物も怖いものなのだなと子どもと一緒に
読んでいて最後のオチまで楽しくて、子どものお気に入りの絵本です。
みんなの恐怖を前にしたときの、表情が行動がコミカルに描かれています。
子どものイタズラにまんまと振り回された大人たちといった様子。
ぴょんがぶりん、今度はどんないたずらを思いつくのでしょうか?
《著者紹介》
文:ジュリア・ドナルドソン
1948年英国ロンドン生まれ。子どものための歌の作詞家としてスタートし、絵本の文章を手がけるようになる。作品に『チビウオのウソみたいなホントのはなし』(徳間書店)、『もりでいちばんつよいのは?』(評論社)など。
絵:ヘレン・オクセンバリー
1938年英国サフォーク州生まれ。演劇や映画の仕事をへて、絵本作家ジョン・バーニンガムと結婚後、絵本の仕事を始める。ケイト・グリーナウェイ賞を二度受賞するなど、英国を代表する実力派絵本作家の一人。作品に『3びきのかわいいオオカミ』(富山房)、『きょうはみんなでクマがりだ』(評論社)など。
訳:戸谷陽子(とたにようこ)
子どものころに故瀬田貞二氏の文庫にかよい、多くの児童書を読んだ経験から、学生時代には六年にわたり、「文庫のおねえさん」をつとめた。日本女子大学大学院博士課程満期退学、米国・コロンビア大学大学院修士課程修了。専門はアメリカ演劇。現在お茶の水女子大学教授。児童書の翻訳に『ねずみにそだてられたこねこ』(徳間書店)ほか。
※絵本より引用
【文:ジュリア・ドナルドソン 絵:ヘレン・オクセンバリー 訳:戸谷陽子
出版社:徳間書店】