仲の良い百姓夫婦は、畑にわずかな野菜を大切に育てながら暮らしていました。
春に二人は畑にかぼちゃの苗を植えました。
ふたりがは心を込めて世話をし、かぼちゃはみるみる大きくなりました。
その中でもひときわおおきなかぼちゃが一つ。
そんなある日の夜、外から祭囃子の音が聞こえてきます。
村の祭りにはまだ早いし、だんだん音は近づいてくるようでした。
二人は楽しい気持ちになり、外に出てみると、なんと畑の中からその音は聞こえてきて、
あの大きなかぼちゃから音がするようでした。
そっとかぼちゃをもいで、家の中に持って帰ると、かぼちゃに小さな穴が開いていて、
そこから黄色い光がもれています。
二人はそっと中を覗いてみると、かぼちゃんの中で小さな人たちが太鼓や笛を吹き、
その周りをたくさんの人が踊っている光景が見えました。
二人はとても驚き、しばらく見つめていました。
それからも毎晩、かぼちゃの中から楽しいお囃子の音が聞こえてきました。
夫婦はそのお囃子を見るのをとても楽しみにしていました。
しかしある日小さい太鼓が壊れてしまってお囃子ができなくなってしまいました。
そこで二人は小さな太鼓を作って、そっと、小さな穴から太鼓を入れて上げました。
すると、お礼に小さなお団子をもらい、それを美味しく食べると、
おじいさんとおばあさんは、かぼちゃの住人になっていました。
仲の良い夫婦が、野菜を本当に大切に育ていて、愛情深さと、真心が伝わってくる絵本。
かぼちゃの中を覗いたときに、黄色くまばゆいばかりの光に包まれた絵は、
幸福感を私たちに与えてくれる。
おじいさんとおばあさんもきっと小さい人たちと一緒に幸せに暮らしたのだろうと
想像します(*^-^*)