ずっとそこに高い壁がある。
いつからあるのか?誰が作ったのか?どこまで続いているのか誰も知らない。
でも壁の内側にいれば安心だし、何も考えないでいれば幸せなのだとみんなは言う。
でも、ねずみだけは大きな壁の向こうにはなにがあるのだろう?と気になってしかたがない。
ある日壁の向こうから飛んできた鳥に、壁の向こうには何があるのか聞いてみた。
そして鳥は、小さなねずみを背中の乗せて空高く飛び立った。
壁の向こう側の世界へ。
そこには、壁の内側よりも美しい世界が広がっていた。
そしてみんなに知らせようとまた、壁の中に戻ろうとすると、
今度は壁がなくなっている!?
壁なんて最初からないさと鳥は言う。
壁を作っていたのは自分の心だったのかもしれない。
ねずみから聞いて、みんなも恐る恐る壁の向こう側の世界へ足を踏み入れる。
でもライオンだけは、ずっと壁の中の世界から出ようとしませんでした。
哲学的な絵本ですが、現代社会を反映しているようで、
少し居心地の悪さを感じます。私も何かの壁を、心の中で作っていて、
壁の内側が安心と思って過ごしていたり、壁を越える勇気が出ない事があるのだと
思います。少し勇気をもって飛び込んでしまえば、私たちを隔てるものは、初めから
何一つないのかもしれません。そしてそこにはきっと美しい世界が広がっていると
信じたいものです(*^-^*)
《著者紹介》
作:ブリッタ・テッケントラップ
ドイツのハンブルクで生まれる。ロンドンのセントマーティンズ・カレッジおよびロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、絵本作家として活躍。テキスタイルや雑貨などのデザインも注目されている。おもな作品は『いのちの木』(ポプラ社)、『手と手をつないで』(BL出版)、『とらさんおねがいおきないで』(ひさかたチャイルド)など。ベルリン在住。
訳:風木一人(かぜきかずひと)東京生まれ。絵本作家・翻訳家。創作に『たまごがあるよ』『とりがいるよ』(共に角川書店)、『ニワトリぐんだん』(絵本塾出版)、『うしのもーさん』(教育画劇)など、翻訳に『こくばんくまさん つきへいく』(ほるぷ出版)、『おおきな木のおはなし』(ひさかたチャイルド)などがある。WEBマガジン「ホテル暴風雨」運営中。
※絵本より引用
【作:ブリッタ・テッケントラップ 訳:風木一人 出版社:BL出版】