子ども忍者3人組が、昔の城づくりに潜入して、勉強するお話になっています。
縄張りの工程から、お堀を掘っていくとこから始まります。
お城づくりで使われていた昔の道具(きづち、すみつぼ、のみ、ちょうな、おが、このはがたのこぎり、くわ)なども絵で紹介されています。
お堀を掘るのも、今あるショベルカーやダンプトラックやブルドーザーなどではなく、
たくさんの人がクワでほり、その土砂をまた二人がかりで運び出している光景に、
驚いていました。石切り場から運ばれる石の大きいこと。
それを牛が引いたり、人が綱引きと丸太を使いながら上へ運び、石垣が作りが始まります。
石垣が出来てようやく天守閣を作るための足場が組まれます。
いまのような丈夫な梯子や階段とは違い、手すりもない板なので、
そこを大きな柱などを担いで登るのは、怖いなぁ~と子ども。
また天守の骨組みに鉄のくぎなどを使わず、木と木で組んでいる日本の匠な技術が、
絵本で描かれています。
内装の土壁も、瓦のひとつひとつまで、すべて人の手で造られてきたお城。
そして人よりもはるかに大きな城を作っていたのですから、
こんな大きな城を、今のような重機・機械のない時代に、人の手でひとつひとつ
どのようにして造られてきたのか、絵で分かりやすく描かれています。
《著者紹介》
作:青山邦彦
1965年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修士課程了。建築設計事務所勤務を経て、絵本作家に。1995年、「ピエロのまち」で講談社絵本新人賞佳作受賞。2002年、ボローニャ国際絵本原画展ノンフィクション部門入選。第20回プラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)出展。主な作品に『ぐんぐんのびる!東京スカイツリー断面図と大パノラマ』(講談社)、『ドワーフじいさんのいえづくり』『マダム・ミャーゴのひみつのいえ』(ともにフレーベル館)、『たのしいたてもの』(教育画劇)、『おうちにかえろう』(白泉社)など。
監修:北川央
1961年大阪府生まれ。神戸大学大学院文学研究科終了。1987年に大阪城天守閣学芸員となり、現在、大阪城天守閣館長をつとめる。織豊期政治史ならびに近世庶民信仰史、大阪地域史専攻。『大阪城と大阪の陣』(新風書房)、『大阪城ふしぎ発見ウォーク』(フォーラム・A)ほか著書多数。
※絵本より引用