★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

こどもたちはまっている

 

作者の荒井良二さんが、大学生の時に絵本作家の道へ進むきっかけとなった

 

長新太さんの『ちへいせんのみえるところ』という作品からインスパイアされて

 

完成した作品。

 

”こどもたちはまっている”というフレーズが繰り返される。

 

こどもたちが待っているのは、

 

窓から眺める景色、船が通るのを待っている。

 

ロバが通るのを待っている。貨物列車が通るのを待っている。

 

雨上がりを待っている。夏を待っている。雪が降ってくるのを待っている。

 

お祝いの日を待っている。ゆうやけを待っている。月が出るのを待っている。

 

朝が来るのを待っている。

 

子どもの頃は無限にあった時間。

 

子どもたちはいつも何かをワクワクしながら待っている。

 

地平線は見えているのに、それはとても遠いのかもしれない。

 

何かを分け隔てる線ではなく、

 

大人と子どもの感性をつなぐ一本の線のように、

 

もう戻れないあの頃と、これからの未来を繋ぐ一本の線のように、

 

まばゆい程の色彩と光とともに、導かれる。

 

大人になった今は、待っている余裕はなくなり、いつも時間を追いかけているようだ。

 

忙しい毎日、過ぎていく時間と子どもの成長を追いかけながら、

 

昔私たちも、たくさんのワクワクを、無限の未来に想像ふくらませ、

 

新しい明日を待ちわびていた。

 

子どもだった頃のかけがえのない時間が蘇ってくる一冊。

 

胸がつまるのような温かさが満ちていく。

 

《著者紹介》

作:荒井良二

1956年山形県生まれ。『たいようオルガン』でBBY賞を、『あさになったので、まどをあけますよ』で産経児童出版文化賞・大賞を、『ルフランルフラン』で日本絵本賞を、

『きょうはそらにまるいつき』で日本絵本賞を受賞するほか、2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど国内外で高い評価を得る。またNHK連続テレビ小説純と愛」のオープニングイラストを担当、2018年まで

「みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ」芸術監督を務めるなど、その活動の幅を広げている。

※絵本より引用

【作:荒井良二 出版社:亜紀書房

 

 


こどもたちは まっている (亜紀書房えほんシリーズ〈あき箱〉3)