ユリ・シュルヴィッツを知ったのは、あの名作絵本『よあけ』を知ったときです。
これも私の中でとても印象に強くのこっているのですが、
地元の公民館の1年の1度のお祭りにたまたま知らずに出かけた時のこと、
冬で寒かったので、併設の公園で子どもと遊んでいて、
暖を取るために公民館の中に入ったときのこと。
小さな図書館があるよで、お祭りに合わせて在庫整理していたのか、
このワゴンの中の本は自由にお持ち帰りくださいの中に名作絵本があったのです。
みなさんハウツー本などを何冊も持ち帰っており、ワゴンにポツンと
『よあけ』だけが残されていて、私が手を取って中身をみたときに、
あまりの美しさに感動して、
本も誰にも借りられてないのではぐらい綺麗な状態で、
『これ本当に持って帰っていいの?』
『みなさん。私がもらってもいいのですが?』
と思いながら持ち帰りました。
その時は名作絵本とは知らず、ただただ感動したのを覚えています。
そしてこの間、図書館でユリ・シュルヴィッツの新作『ゆき』を見つけました。
こちらも光を感じます。
この光がユリ・シュルヴィッツ作品の大きな特徴だと思います。
冬の混沌とした雲、分厚いグレーの冬雲、光の届かないような冬の景色に
どうやってこの光を与えるのだろうとワクワクしながら読んでいました。
そしてら・・・
ページをめくれば、開いた瞬間に、銀世界が広がり、まばゆい光に溢れていました。
雪が降って、晴れた翌朝の光景。
まぶしい程の銀世界が描かれていました。
この1ページ(光)にだどりつくまでの混沌とした冬空の闇がまた素敵です😍
子どもにも読んでもらえる本ですが、本当にこの本の良さに気づくには、
私は大人にならないと気づけなかったかなと個人的に思っています。
絵本に書かれている文章が、全てふっとんでしまうぐらいに、
ユリ・シュルビッツの絵に魅了されてしまいます。
大人に手元に置いてほしい美しい絵本です。
【作・絵:ユリ・シュルヴィッツ 訳:さくまゆみこ 出版社:あすなろ書房】