★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

へいわとせんそう   

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詩人の谷川俊太郎さんとイラストレーターのノリタケさんの共作。

 

この絵本はたくさんの大人、子どもに読んでもらいたい絵本です。

 

作品のタイトルのとおり、平和と戦争について描かれています。

 

平和だから出来ること、平和だから当たり前にある日常、

 

同じ父でも、平和なときの父と、戦争のときの父は違う人。

 

何かを守ろうとしているのは同じなのに、でも違う。

 

平和な夜と、戦争の夜。

 

二つを対比していくと、大きくかけ離れた日常がそこにある。

 

黒と白で構成されるシンプルなイラストはまるで、闇と光のようだ。

 

はじめの方は、平和と戦争は全く別の世界、かけ離れた世界のように感じる。

 

2つの世界として、視界にとらえていくことになる。

 

しかし、ページ後半がとても印象に残った。

 

敵も味方も同じ顔をしていることに、子どもが、読み聞かせをしていて気が付いた。

 

そう敵も味方も、何も違わない。同じ人間なのだと。

 

地球にいる生物は皆平等で、等しい存在なのだと。

 

味方の朝も、敵の朝も、等しく訪れる。

 

太陽は誰に対しても、いつだって平等に光を注いでくれる。

 

自然も何かを選ぶのではなく、区別するでもなく、いつもそこにある。

 

敵の赤ちゃんも、味方の赤ちゃんも、どちらの命も同じように重い。

 

守らなくてはならない、かけがえのない命だ。

 

戦争に勝っても、負けても、私ちは何かを失うように思う。

 

戦争が終わったあとも、以前のようには元通りにはならない。

 

失ったものは、失ったまま。

 

私も戦争を知らない世代だ。

 

子どもと平和について考えるきっかけをくれる、シンプルでわかりやすく、

 

とても深い絵本です★

 

学校や幼稚園、保育園などでも、活用して欲しい一冊。

 

《著者紹介》

文:谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)

1931年東京生まれ。詩人。21歳で第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。

以来数々の賞を受賞し、幅広く活躍する日本を代表する詩人。絵本『わらし』(長新太・絵)『あな』(和田誠・絵/共に福音館書店)、『もこもこもこ』(元永定正・絵/文研出版)、翻訳絵本『スイミー』(レオ・レオニ/好学社)など、長年にわたり読み継がれている。近著に『バウムクーヘン』(ナナロク社)などがある。

 

絵:Noritake(のりたけ)

1978年兵庫県生まれ。イラストレーター。モノクロームのドローイングを中心に、

広告、書籍、雑誌、ファッション、プロダクト制作など国内外で活躍。

デザイン、ディレクション、作家活動もおこなう。近著に『秘密基地の作り方』(尾形孝弘・文/飛鳥新社)、『えいごのもと』(関谷英里子・文/NHK出版)、『MORE THAN YESTERDAY』(岡本仁・文/私家版)などがある。

※絵本より引用

【文:たにかわしゅんたろう 絵:Noritake 出版社:ブロンズ新社

 


へいわとせんそう