★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

クレーンクレーン 

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ぼくのだいすきなクレーンは、働き者。

 

朝早くから、夜遅くまで、たくさんの仕事をしている。

 

毎朝、クレーンにいってらっしゃいをするのが、ぼくの日課

 

ビルの工事現場や、どうぶつえんで、大きなどうぶつを運搬したり、

 

重くはないけど、たくさんの荷物を繰りかえし運ぶこともある。

 

どんなでこぼこみちもキャタピラだから、大丈夫。

 

港に行って、遠い国からきた荷物を運ぶこともある。

 

遠い国の匂いがする。

 

ぼくも、大きくなったら、クレーンに乗りたいな。

 

働く車の絵本の中では、本当に珍しいんですが、

 

淡い水彩画のタッチで描かれているんですが、そこが特にお気に入りです。

 

夕方の港の前のクレーンなど、夕方の空の色がそのまま表現されていて、

 

ノスタルジックな雰囲気です。

 

柔らかなタッチながら、描いているのは角ばっていて、大きくて、力持ちのクレーン車。

 

とてもギャップがあります笑

 

クレーンの一日の仕事をいろんなシュチエーションで描かれていて、

 

どんな仕事をしているのか?どんな現場にいくのか?

 

子どもの知りたいが、ページをおくるごとに、シーンで流れてきます。

 

《著者紹介》

作:竹下文子(たけしたふみこ)

1957年、福岡県に生まれる。東京学芸大学卒業。「黒ねこサンゴロウ」シリーズ

偕成社)で路傍の石幼少年文学賞を受賞。主な作品に『ピン・ポン・バス』『がんばれ!パトカー』(偕成社)、『クッキーのおうさま』(あかね書房)、『ドルフィン・エクスプレス』シリーズ(岩崎書店)、『おまかせコックさん』『おすしのせかいりょこう』『おてつだいねこ』シリーズ(金の星社)、『クリスマスのかね』(教育画劇)、『ひらけ!なんきんまめ』(小峰書店)などがある。静岡県在住。

 

画:鈴木まもる(すずきまもる)

1952年、東京都に生まれる。東京芸術大学中退。『黒ねこサンゴロウ』シリーズ(偕成社)で赤い鳥さし絵賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。主な絵本作品に『ねこのおすしやさん』(偕成社)、『せんろはつづく』『つみきでとんとん』(金の星社)などがある。また鳥の巣研究家として『世界の鳥の巣の本』(岩崎書店)、『鳥の巣研究ノート』(あすなろ書房)、『ふしぎな鳥の巣』

『鳥の巣ものがたり』『ツバメのたび』(偕成社)などの著書がある。静岡県在住。

※絵本より引用

【作:竹下文子 絵:鈴木まもる 出版社:偕成社

 


クレーン クレーン

のせてよ! *笠野祐一

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”トンテンカン トンテンカン

 

できた!ひこうきができた。

 

さぁ ひこうきに のって

 

そらの さんぽに 

 

しゅっぱつだ!

 

すると、イヌがやってきて

 

『のせてよ!』

 

ちょっと まってね。

 

トンテンカン、トンテンカン

 

イヌ小屋を飛行機の上に、のせたら、

 

そらのさんぽに しゅっぱつだ!

 

すると、ブタの おやこが やってきて

 

『のせてくださいな!』

 

ちょっと まってね。

 

トンテンカン、トンテンカン

 

タンスを改造して、ブタさんのおうちを作って、飛行機にのせたら、

 

そらの さんぽに しゅっぱつだ!

 

すると、ウシが やってきて

 

『のせてよ!』

 

ちょっと まってね

 

うんしょ、うんしょ

 

ウシさんを飛行機の下に のせたら、

 

さぁ そらの さんぽに しゅっぱつだ!

 

ブルン ブルン ブルン ブルン

 

いっしょうけんめい プロペラを まわして、

 

ブル ブル ブル ブル 

 

ブル ブル ブル ブル

 

いっしょうけんめい はしると、

 

ブ ル ル ル ル ル ル ル・・・・

 

どんだ、とんだ! いってきまーす。”

 

動物と一緒に走るトラックや船は見たことあるけど、

 

飛行機ってありそうでなかった。

 

子どもの何かをいじって、改造したい心をくすぐる絵本。

 

タンスや荷台が、動物たちの座席へ変身していく。

 

飛行機につけたしていくと、一緒に空へおさんぽできる。

 

あまりの重さに、飛行機が湾曲していたり、

 

絵本は、現実では、叶わないようなことが、叶う。

 

夢のような一冊!

 

言葉も少なく、絵で引き付けてくれる絵本なので、

 

未就園児の子どもの読み聞かせから、おすすめです!

 

今回の絵本はリンクが貼れなかったのですが、もし興味がある方は、

 

図書館や書店でお手に取ってみてください(*^-^*)

 

福音館書店から2013年に出版されている絵本です!

 

【作:笠野祐一 出版社:福音館書店

ちか100かいだてのいえ *いわいとしお

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この絵本は縦に開いて読み進めていきます(*^^)v

 

”おふろがだいすきな クウちゃんという おんなのこがいました。

 

ある日お風呂に入っていると、だれかのこえが きこえてきました。

 

『クウちゃん、わたしのいえの ちか 100かいでこれからパーティーがあるの。

あそびにこない?』

 

『わぁびっくりした!あなたはだあれ?』

 

『いえのいりぐちは みずうみのむこうの かざんのふもとだよ。ぜったいきてね、

、まってるわ!』

 

だれかさんがお湯のなかに きえていきました。

 

くぅちゃんは、さっそく、かざんのふもとに行って、入口を探してみても、

 

みつかりません。『キャッ!』とつぜん、じめんのしたへ、すべり落ちてしまいました。

 

目の前の扉を開けてみると・・・

 

地下1階から地下10階はうさぎさんの住居のよう。

 

地下の畑でニンジンや野菜をたくさん育てています。

 

ニンジンジュースは格別。はしごやまくらまでにんじん。

 

地下11階から地下20階には、アライグマさんの住居。

 

地下21階から地下30階は、蝉の幼虫さんの住居。

 

しぼりたての木のねっこのジュースはとても甘い。

 

大人になったら、上手に鳴けるように、みんなで鳴き方の練習中。『みーんみーん!』

 

地下32階から40階には、ダンゴムシさんの住居です。

 

ダンゴムシさんの住居はどの階もまんまるな形のおうち。

 

ドームみたいなお部屋の中で、しょぼん玉したり、ゴルフをしたり、

 

ボーリングやバスケットのボールは、ダンゴムシさんが丸くなってボールになるよ。

 

移動も階段じゃなくて、丸くなって転がって降りていくよ。

 

地下41階から地下50階は、アリさんの住居。

 

みんな大忙しで働いている。

 

おや!?パーティーのケーキを力を合わせてつくっているよ。

 

美味しそう~

 

地下51階から地下60階には、ミミズさんの住居。

 

ミミズさんのおうちは純和風。

 

習字をしたり、壺を釜戸で焼いたり、茶室でお抹茶を立てて飲んだりしています。

 

地下61階から地下70階には、ハリネズミさんたちが住んでいます。

 

宝石を採掘している。七色に光る宝石もあって、とてもきれい。

 

ハリネズミさんのごはんはサボテン。食事まで尖っている。

 

ペットはハリセンボン。

 

地下71階から地下80階は恐竜さんの住居!?とおもったらトカゲさんでした。

 

トカゲさんは、珍しい化石を掘っているみたい。

 

アンモナイトなどの古代の生きものの化石を掘って、磨いている。

 

ケンカはしっぽの取り合い。しっぽはまた生えてくるから大丈夫!

 

地下81階から地下90階には、モグラさんが住んでいます。

 

ヘルメットに懐中電灯で、金を掘り出し、ネックレスを作っているよ。

 

ショベルカーや、ドリル、ブルドーザーでたくさん金を集める。

 

地下91階から99階にはカメさんが住んでいました。

 

いよいよ100階には、

 

カメのおばあちゃんが待っていました。

 

『わたしのおばあちゃん、きょうで 100さいになったのよ。』

 

地下100階で入るおふろは格別でした。さぁアリさんが作ってくれた大きなケーキを運んで、

 

お誕生日パーティーのはじまりです。

 

みんなそれぞれ作ったプレゼントを持って集まりました。

 

クウちゃんは、カメのおばあちゃんの甲羅をキレイに洗ってあげました。

 

『かえりはわたしがおくってあげよう。さぁせなかにのってごらん。』

 

おんせんのお湯がふきだすトンネルをとおりぬけて、

 

クウちゃんはあっという間に、みずうみのうえに飛び出しました。

 

クウちゃんはあたたかい気分でおうちに帰りました”

 

 

地面のずっと下がどうなっているか私たちも見たことがない。

 

ひょっとしたら見たこともないような生きものたちの、お家が広がっていて、

 

私たちと同じような暮らしがそこに広がっているといたら、

 

ワクワクする。

 

絵本の形状を、生かして、縦書きにして、地下10階ずつを、みせてくれる。

 

どんどんもぐりこんでいく楽しさが、ページがめくるたび

 

新しい世界となって飛び込んでくる。

 

子どもに好評な絵本でした!

 

読み方、ユーモアともに型破りな絵本です(*^-^*)

 

《著者紹介》

岩井俊雄(いわい としお)

1962年生まれ。絵本作家/メディアアーティスト。子供の頃に母親から「もうおもちゃは買いません」と言われ、かわりに工作の道具や材料を与えられたことからものづくりに目覚める。1985年、筑波大学芸術専門学群在学中に第17回現代日本美術展大賞を最年少で受賞。その後、国内外の多くの美術展に、観客が参加できるインタラクティブな作品を発表し、注目を集める。テレビ番組『ウゴウゴルーガ』、三鷹の森ジブリ美術館の映像展示『トトロぴょんぴょん』『上流海流』や、ニンテンドーDSのアートソフト『エレクトロプランクトン』、ヤマハと共同開発した音と光を奏でる楽器『TENORI-ON』,NHKの幼児番組『いないいないばぁ!』のオープニングアニメーションなども手がける。著書に『いわいさんちへようこそ』、『いわいさんちのどっち?絵本』シリーズ(全3冊)、『いわいさんちのリベットくん』『どっちがへん?スペシャル』(以上すべて紀伊国屋書店)、『アイデアはどこからやってくる?』(河出書房新社)、『光のえんぴつ、時間のねんど、図工とメディアをつなぐ特別授業』(美術出版社)、『うみの100かいだてのいえ』(偕成社)などがある。

※絵本より引用

【作:いわいとしお 出版社:偕成社

 

 


ちか100かいだてのいえ

 

なんでもモッテルさん

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目の下の青いクマと、生気のない表情の家族写真の表紙に、

 

この『なんでもモッテルさん』という言葉の居心地の悪さ、

 

表紙のアンバランスさに惹かれてしまいました(*^^)v

 

なんだろう?どんなお話なんだろう?と興味そそられました。

 

丘の上の大きなお屋敷に住むモッテルさん。

 

何でも欲しいもは手に入れ、何でも持っている。

 

世界から買い集めたツボ、彫刻、壁に有名な画家の絵、

 

時計は100個、ぼうし100個、ネクタイは365本毎日ちがうネクタイをする。

 

金庫の中にはお金や宝石がいっぱい。

 

ガレージには立派な高級車が何台も並ぶけれど、モッテルさんは運転しない。

 

眺めるだけ。ただ所有しているというだけで満足。

 

奥様も、宝石に、綺麗な服、靴をたくさん囲まれて生活している。

 

子ども部屋は、おもちゃで溢れかえっている。

 

おやつも食べ放題。

 

欲しいと言えば、何でも買ってもらえます。

 

一つ買うと、また次が欲しくなる。

 

買っても買ってもキリがありません。

 

集めたものは、部屋からどんどんあふれ出し、

 

家族は毎日些細な事で喧嘩をしています。

 

そんなある日、今までに来たこともないような嵐がやってきて、

 

人々は避難しました。しかしモッテルさん家族は、避難しませんでした。

 

どろぼうに入られたらどうする?と言って、地下室に家族で避難しました。

 

そうこうしているうちに、屋根が吹き飛ばされ、

 

家じゅうのものが、ぐるぐる ぐるぐる うずをまき、

 

空高く まいあがりました。

 

テーブルや椅子などの家具も、車も、彫刻も、宝石も、おもちゃも、金庫も。

 

嵐がすぎてしずかになり、家族が地下室から出てみると、

 

そこには壁と窓と、ドアがありました。

 

でもほかのものは 何もありませんでした。

 

『おーい!だいじょうぶかーい!』

 

むらのひとたちが おかを のぼって やってきました。

 

スコップを持った人、毛布や食べ物を持った人、

 

心配して様子を見に来てくれたのです。

 

村の人たちに手伝ってもらって、モッテルさんはあたらしい 家を建てました。

 

家族がやっと暮らせる 小さな 小さな家を。

 

だけど、4人ともまえよりずっと楽しそう。

 

たくさんのものをなくしたけど、べつのものを手に入れることが出来たからです。

 

お金ではかえない、とっても 大切なものを。

 

 

一つものを増やせば、それに合わせてまた一つと増えていく。

 

家を買う。安心な暮らしを手に入れたと同時に、

 

そこから軽々引っ越してというのが難しくなる。

 

そして、車も家も買っただけで終わりではなくて、

 

定期的にメンテナンスが必要だし、税金もかかり、維持費にお金がかかる。

 

服も、おもちゃも、食べ物もなんでもそう。

 

豊かさと同時に、不自由さもあり、人がモノによって縛られてしまっては、

 

元も子もない。

 

嵐のときに、物が心配で、自分たちの命の安全よりも、避難しないでとどまることを

 

選択したのが印象的。

 

何もかも嵐で失ったけれど、村の人々が助けてくれ、支えてくれ、

 

お金では買えない人の気持ち、みんなと一緒に過ごす時間、

 

喜びや悲しみを分かち合うかけがえのない仲間を手に入れたモッテルさんたち。

 

少ないものを大切にすること、物やお金では得られない充足感、

 

そして自由さを教えてくれる一冊。

 

大人は興味深く、整理・掃除がしたくなる絵本(*^-^*)

 

子どもには、友達やモノを大切にすることを教えてくれる一冊。

 

《著者紹介》

文:竹下文子(たけした ふみこ)

1957年、福岡県に生まれる。東京学芸大学卒業。『黒ねこサンゴロウ』シリーズ(偕成社)で路傍の石幼少年文学賞を、『ひらけ!なんきんまめ』(小峰書店)で産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。主な作品に『わすれんぼうのはりねずみ』『風のゆうびんやさん』『クッキーのおうさま』『ポロポロゆうびん』(以上あかね書房)、『ピン・ポン・バス』(偕成社)、『なまえのないねこ』(小峰書店)、『しゃっくりくーちゃん』(白泉社)、『ポテトむらのコロッケまつり』(教育画劇)など多数がある。

静岡県在住。

 

絵:アヤ井アキコ(あやい あきこ)

1967年、北海道に生まれる。大学卒業後、印刷会社勤務を経て、美学校造形基礎教場、

同校シルクスクリーン工房で学び、漫画誌『ガロ』で漫画家としてデビュー。絵本『もぐらはすごい』(アリス館)で日本絵本賞を受賞、2019年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(小学校低学年)に選ばれる。画を手掛けた作品に『月宮殿のおつかい』(幻冬舎)、『ろばくんととらねこ ふたりでかいもの』(フレーベル館 キンダーおはなしえほん)、『ゆきドラゴン』(学研プラス おはなしプーカ)、『山菜の絵本(農文協)などがある。東京都在住。

※絵本より引用

【作:竹下文子 絵:アヤ井アキコ 出版社:あかね書房

 

 


なんでもモッテルさん

 

 

 

 

ぐりとぐら

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のねずみのぐりとぐらはお料理すること、食べることが大好き。

 

森に美味しそうなものを探しに大きなかごを持っておでかけです。

 

どんぐりをかごいっぱいにひろって、さとうをたっぷり入れて煮ようね。

 

栗をいっぱいひろったら、くりーむにしょう。

 

二人は美味しい相談をしながら、歩いていると、道の真ん中に

 

それはそれは大きな卵が転がっていました。

 

たまごはぐりとぐらよりも大きく、2人はお月様ぐらいの目玉焼きができるね。

 

僕らのベッドより大きくて、ふわふわのベッドみたいな玉子焼きもいいな。

 

それより大きなカステラもいいね。

 

二人は楽しい想像をしながら、カステラを作ることにしました。

 

さて、この大きな卵をどうやって運ぼうか考えています。

 

あまりに大きな卵だったので、

 

たまごを運ぶことはあきらめ、材料や道具をここに運んでくることにしました。

 

ぐりとぐらはいそいで、うちへ帰り、用意しました。

 

いちばんおおきな おなべ、こむぎこ、バター、ぎゅうにゅう、おさとう、

 

ボール、あわだてき、えぷろん、まっち。

 

さぁ、森に戻って、たまごを割ろうと、げんこつで思いっきりたたきました。

 

『おお、いたい!なんてかたいんだろう?』

 

どうしたら割れるんだろう、この卵は。

 

『いしでたたいてごらんよ。』

 

と、ぐらがいいました。

 

いしでたたくと、やっとわれました。

 

ぐりはいそいで、たまごをボールへながしこむと、

 

おさとうと一緒にかきまぜて、ぎゅうにゅうとこむぎこを いれました。

 

その間、ぐらはいしでかまどをつくり、たきぎを集めました。

 

さて、おなべにバターをよくぬって、ボールのなかのざいりょうをいれて、

 

ふたをすると、かまどへ かけました。

 

歌いながら待っていると、おいしい匂いに、森のどうぶつたちがあつまってきました。

 

『さぁ、できたころだぞ。』

 

ぐらが おなべのふたをとると、まぁ!きいろいかすてらが、

 

ふんわりとかおをだしました。

 

森のみんなでかすてらを、おなかいっぱい食べました。

 

このあと、ぐりとぐらは、わった卵のからで、自分たちと、にもつを乗せる車を作るんですが、

 

それもまた大きなカステラと同じぐらい夢があって素敵。

 

最後のオチまで、読者の想像をいい意味で裏切り、期待以上の幸福感を与えてくれます。

 

人間って小さいものと、大きなものが、とくに好きですが、

 

この絵本は小さなぐりとぐらと、大きなお鍋に、大きなカステラと、

 

人の興味をそそる2つが混在していて、

 

夢を与えてくれます。

 

また森のみんなと、ふっくら大きなカステラを分け合う喜び、

 

カステラの香りと、美味しさが、絵本を読む私たちも一緒に、包みこんでくれる一冊(*^^)v

 

《著者紹介》

中川李枝子(なかがわりえこ

札幌に生まれる。東京都立高等保母学院を卒業後、保母として働くかたわら、児童文学グループ〈いたどり〉の同人として創作活動を続けた。現在は著作に専念している。

1962年に出版された童話『いやいやえん』(福音館書店)は、厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞した。

また、1980年、『子犬のロクがやってきた』(岩波書店)で毎日出版文化賞を受賞。

主な著書に、童話『ももいろのきりん』『かえるのエルタ』、絵本『そらいろのたね』

『はじめてのゆき』(以上福音館書店)、『こだぬき6ぴき』(岩波書店)など多数ある。東京在住。

 

大村百合子(おおむらゆりこ

東京に生まれる。上智大学卒業。主な著書に、童話『いやいやえん』『かえるのエルタ』『らいおんみどりの日ようび』の挿し絵、絵本『そらいろのたね』『なぞなぞえほん』『くまさんくまさん』(以上福音館書店)など、実姉中川李枝子さんとのコンビの仕事が多数ある。訳と挿し絵に『きつねのルナール』(福音館書店)がある。

楽しい挿し絵は、日本の子どもばかりでなく、外国でも高く評価されている。東京在住。

※絵本より引用

【作:中川李枝子 絵:大村百合子 出版社:福音館書店

 


ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

 

 

 


ぐりとぐらの絵本 7冊セット

 

 

 

ぼくを探しに *シルヴァスタイン

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作者のシルヴァスタインが、だめな人と、だめでない人のために贈る物語。

 

何かが足りない、自分に足りないかけらを探しに行く旅。

 

ころころ転がりながら、歌いながら、ボクは何か欠けているから、

 

上手く転がれない。

 

途中道で会ったミミズと話したり、花の香りをかいだり、

 

かぶとむしに追い越されたり、

 

雨の日も、晴れた日も、雪の降る寒い日も、僕は転がり続ける。

 

とうとう、かけらを見つけた。

 

でも小さすぎて、すぐにはずれてしまった。

 

次に見つけたかけらは大きすぎた。

 

ようやくぴったりなかけらを見つけたと思ったら、

 

落としてしまった。

 

もう落とさないようにと、くわえ過ぎたら、壊れてしまった。

 

旅を続けていると、ようやくまたぴったりのかけらを見つけた。

 

ぼくは転がり続ける、綺麗な丸になったから、坂道もすごいスピードが出る。

 

もう立ち止まれない。

 

綺麗なお花も、景色も、一緒に旅した虫たちも見ることができないほど、

 

もう楽しい歌も歌う余裕がないほどに、よく転がる。

 

僕はぴったりのかけらを、そっと置いて、

 

また何か欠けているボクに戻って、一人でゆっくり歌いながら転がり始めた。

 

 

シンプルなおおきな白の余白の中に、黒い線だけで描かれる絵。

 

小さな子どもでも、絵を追うだけで面白い。

 

何をしているのか、なんとなくわかる。

 

自分に欠けている何を探しに、欠けている何かを埋めようとする。

 

それは恋人なのかもしれないし、家族、友人なのかもしれないし、

 

知識や、才能、能力かもしれないし、お金やモノなのかもしれない。

 

自分に欠けている何かを追い求め、転がり進んで、

 

自分にピッタリなかけらを見つけるけども、

 

形が合わなかったり、大きかったり、小さかったり、

 

そして探し求めていくうちに、本当にピッタリなかけらを見つける。

 

綺麗な丸になったのに、転がるスピードも速くなったのに、

 

歌が歌えなくなって、手放し、また一人に。

 

自分に欠けているものを誰かに、埋めてもらうのは、違うって気づいたのかもしれないし、

 

そもそもみんな欠けているのが当たり前で、欠けているからこそ、

 

素晴らしいんだと気づいたのかもしれない。

 

カケラはいつも自分の中に、あるのかもしれない。

 

シンプルなだけに、どのような解釈もでき、その人の自由。

 

人生で時間を置いて、また読み返したら、その時によって、

 

解釈が変わってくるように思います(*^-^*)

 

子どもは面白いと言って、分厚い絵本ながら、最後まで集中して見ていました☆彡

 

《著者紹介》

作:シェル・シルヴァスタイン

シカゴ生まれ。作家、イラストレーター、歌を作りギターも弾く。カウボーイ・ハットを愛し、いつもジーンズ姿でいる自由人。『歩道の終わるところ』(講談社刊)など作品各種。1999年没。

【作・絵:シェル・シルヴァスタイン 訳:倉橋由美子 出版社:講談社

 


新装 ぼくを探しに

 

 

 

 

妖怪美術館 *広瀬克也

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子どもは妖怪が本当に大好き(*^-^*)なぜ夢中になるのでしょうか?

 

目がたくさんある妖怪に、首がなが~く伸びるろくろくび、くちさけおんな、

 

天狗や河童も出てくる。あれも妖怪だったのかと。

 

天狗や河童は、妖怪というくくりではなくて、ひとつのジャンルと思い込んでいました!

 

妖怪がいっぱい出てくる、妖怪美術館。

 

美術館というだけあって、名作のパロディーが沢山でてきて、

 

大人が読んでいても楽しい絵本。

 

葛飾北斎の富士の絵に、ムンクの叫び、モナ・リザに、

 

フェルメール真珠の耳飾りの少女ゴッホの月夜

 

風神雷神図屏風ロダンの彫刻考える人。

 

妖怪の女の子に、帽子を取られてイタズラされてしまったり、

 

それはそれは奇想天外な美術館。

 

子どもの面白い、好きと、大人の面白いが同居する絵本。

 

親子で面白がるツボが違うのが、それがとても愉快。

 

見ている視点、追っている視点が違うんでしょうが、

 

同じ読み聞かせの時間を、楽しんでいることに変わりはないので、

 

とてもユニークです!

 

妖怪とはいっても、日常で目にするネコだったり、鉄瓶、灯篭、びわ(楽器)、

 

傘、ちょうちん、タコがモチーフになっているので、子どもが怖がる妖怪ではなく、

 

どこか見たことがあったり、出会ったことがある、親しみを感じる妖怪がたくさん

 

出て来ます。

 

『これなんだろうね?』とかクイズを出しながら、読み聞かせしました(*^^)v

 

また美術館でいつか目にするかもしれない名作のパロディーを、

 

本物の作品を見た時に、『あれ?どこかで見たな。妖怪絵本に出て来たな。』とか、

 

美術作品に興味を持ってもらう一歩になったらいいなと思います。

 

【作:広瀬克也 出版社:絵本館】

 


妖怪美術館